【ツール・ド・フランス2024 レースレポート:第21ステージ】26年ぶりのダブル・ツール タデイ・ポガチャルがステージ優勝締めで3度目のツール制覇!「自転車競技の歴史においても最高の時代。全力で楽しまなくちゃ! そして次の目標は…」
ポガチャルとならびビッグ4に数えられたヴィンゲゴーは、やはり4月に負った怪我の影響が大きかった。レムコは初のツールでマイヨ・ブラン。すべてを終えて解放された瞬間、人目をはばからず涙した。
ログリッチは途中で大会を去ったけれど、彼を含めた4人の戦いは確かに時代を示すものだった。彼らの走りは、誰も観たことのない、感じたことのない疆域にレースレベルを、そして観る者をも引き上げている。この先、どんな世界を見せてくれるだろうか。
「今は自転車競技の歴史でも最高の時代じゃないかな。僕が観る側の立場だったとしても、同じことを思っているはずだよ。レムコ、ヨナス、プリモシュらと戦うのは本当に素晴らしい経験だよ。それに、次々と若い選手たちも出てくる。僕たちはこの時代を楽しまなくちゃ!」(ポガチャル)
そう、この時代を楽しまなくちゃ!
第111回ツール・ド・フランスは、マイヨ・ジョーヌがポガチャル、マイヨ・ヴェールがギルマイ、山岳賞のマイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュはリチャル・カラパス(EFエデュケーション・イージーポスト)、ヤングライダー賞のマイヨ・ブランがレムコでそれぞれ確定。チーム総合はUAEチームエミレーツ、敢闘賞はカラパスが受賞。最終的な完走者は141選手だった。
2024年のロードレースシーンはパリ五輪を経て、後半戦へ。激動のレースばかりだから、いささか心配な“ツール・ロス”も大して感じることなく日々を送れるはずである。
●ステージ優勝&マイヨ・ジョーヌ:タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)コメント
「スーパーハッピーだよ! ツールでは2年連続で大きなミスをしていたから、今年のように順調に走り切れた喜びは言葉に表せないほどだよ。すべてが完璧だった。ツール・ド・フランスの頂点に立てて、最高にうれしい。
毎日自信をもって走ることができたのは、グランツールでは初めての経験だと思う。実を言うと、ジロでは1日だけ調子が悪い日があったんだ。どの日かは内緒だけどね。このツールはとにかく大成功だ。最初から最後まで楽しんで走れたし、チームからの手厚いサポートもあった。誰もがっかりさせたくなかったから、みんなのために走ったんだ。 今日のステージも調子が良かった。世界最高のサーキットであるF1のグリッドからスタートできて気持ちがものすごく上がったよ。チームからはレムコとのタイム差だけを教えてもらうようにしていて、最初の上りで上回っていると聞いたときに勝てると思ったね。ガールフレンドが“何回も走るから道に呆れられているんじゃない?”なんて言うんだけど、それを思い出したら楽しくて。だけど、何度も走ることで準備がしっかりできたんだ。 ダブル・ツールについても成功するとは正直思っていなかった。“ジロはツールで失敗したときのセーフティネットだ”なんて言われたりもしたけど、仮にそうなっていたって今シーズンは大成功だよ。もちろんツールを勝つことは別レベルの話だし、ジロとツール両方勝ったとなるともっと大きな喜びだね。 次の目標? そうだね、マイヨ・アルカンシエルだろうね。マチューのアルカンシエル姿は本当にかっこいいけど、僕はそれを奪い取りたい。いつか着られるよう、チャレンジを続けていきたいね」
【関連記事】
- 【速報 ツール・ド・フランス2024】タデイ・ポガチャルが区間6勝で総合優勝、26年ぶりにダブルツールを達成!/第21ステージ
- 【ツール・ド・フランス2024 レースレポート:第20ステージ】ホームコースで今大会5勝目のポガチャル ヴィンゲゴーとの直接対決にもノーギフト「一番のライバルに勝とうとするのは当たり前。いつだって勝つために走る」
- 【速報 ツール・ド・フランス2024】最後の最後まで実力伯仲の2人が争いポガチャルは今大会5勝目/第20ステージ
- 【Cycle*2024 ツール・ド・フランス2024 レースレポート:第19ステージ】“タデイ・ポガチャル劇場”ここに決まる イゾラ2000で驚異の追い上げ、クイーンステージ完勝でツール覇権奪還へ大きく近づく
- 【速報 ツール・ド・フランス2024】真剣勝負は容赦なし、ポガチャルが圧倒的強さで全てを薙ぎ払い区間4勝目/第19ステージ