【ツール・ド・フランス2024 レースレポート:第21ステージ】26年ぶりのダブル・ツール タデイ・ポガチャルがステージ優勝締めで3度目のツール制覇!「自転車競技の歴史においても最高の時代。全力で楽しまなくちゃ! そして次の目標は…」
ならば何を期待しよう。ツール・ド・フランスの閉幕なのだ。美しく、感動的に終幕するだけでみんな大満足ではないか。3週間の旅の終わり、みんなで笑って終えられれば一番良い。
すべての者の胸を打つ、ライダーひとりひとりのドラマ。マーク・カヴェンディッシュ(アスタナカザクスタン)は、キャリア最後となるツールのステージを笑顔で出発した。さすがに2級山岳ラ・テュルビと続くエズ峠では苦しそうな顔を見せたけど、ニースに帰還すると再び笑顔。手を振ってツールに別れを告げるとともに、15回目の完走を決めた。
ビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・ワンティ)は、アフリカ人ライダーとしては初めてのポイント賞獲得だ。最終ライドを無難にこなすと、先に走り終えていたチームメートの胸に飛び込んだ。またひとつ、新たな“Make History”誕生の瞬間だ。
個人総合の上位ライダーが出走すると、さすがにレース水準が上がってきた。同9位で出発したデレク・ジー(イスラエル・プレミアテック)が最初の48分切りを果たすと、同8位のマッテオ・ヨルゲンソン(ヴィスマ・リースアバイク)は途中で落車に見舞われながらも、47分32秒で暫定トップに立った。
いよいよ、個人総合トップ3がコースへ。彼らは最後まで本気だった。
まず出発したのはレムコ。やはり中間計測からトップに立った。ラ・テュルビの計測ポイント(11.2km地点)から、それまでの一番時計を大きく更新していく。個人TTの世界王者は、46分38秒で33.7kmを走破。残る2人を待った。
ヴィンゲゴーにも直近2回のツールを勝っている意地がある。スタート直後からレムコを上回る好ペースを刻んだ。ラ・テュルビでの約20秒差を生かしながらニースを目指す。下りでタイヤを滑らせる場面こそあったけど、おおむねトラブルなく走り切った。終盤は少しペースを落としたけど、それでもレムコよりは速く走り切った。タイムは46分27秒。
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