【ツール・ド・フランス2024 レースレポート:第21ステージ】26年ぶりのダブル・ツール タデイ・ポガチャルがステージ優勝締めで3度目のツール制覇!「自転車競技の歴史においても最高の時代。全力で楽しまなくちゃ! そして次の目標は…」
そして、真打ちポガチャル。いざスタートするや、今大会での勢いを改めて示すかのごとく、別領域の走りを披露した。ラ・テュルビでヴィンゲゴーを7秒上回ると、エズ峠でギアを上げて25秒更新。下りで加速して1分以上の余裕が生まれると、夕陽に照らされたプロムナード・デ・ザングレ(とはいっても少々曇っていたけど)は完全なウイニングライド。フィニッシュ地・マセナ広場に集まった大観衆の前に姿を現すと、ハルクポーズでマイヨ・ジョーヌを誇示した。
「個人的にはF1のグリッドからスタートできただけで気分が上がっていたんだ。レース中は無線からレムコとのタイム差だけ教えてもらうようにしていて、最初の上りで彼を上回っていると聞いた時点で勝てると思った。ガールフレンドは“僕が何度もトレーニングで走っている道だから呆れられているんじゃない?”って言うんだ(笑)。それを思い出したら楽しくって!」(ポガチャル)
ステージ6勝目。先のジロと同数だ。1998年のマルコ・パンターニ以来、26年ぶりのダブル・ツールにあたって、みずから勝利したのは合計12ということになる。TT後、「ジロでは1日だけ調子の悪い日があった」と打ち明けた2冠王。一方でツールは何ひとつミスがなく、パーフェクトにレースができたことを強調する。
「ツールではここ2年、大きなミスをしてきたからね。負けた理由がはっきりしていた。今年は見違えるようなレースができて、自分でもその理由をどう表現したら良いかまだ分からないんだ」(ポガチャル)
ダブル・ツールを果たした今、ポガチャルは何を思う。表彰式後に出演したフランス国営放送のスタジオでは、目標を含め今後のことに言及している。
「今年はブエルタ・ア・エスパーニャには出ないよ。早ければ来年だね。パリ五輪を走るけど、まだ具体的なことは考えていない。次の目標? そうだね、マイヨ・アルカンシエルだよ。マチュー・ファンデルプールのアルカンシエルはお似合いだけど、彼から奪い取りたいと思っているんだ。実現可能だと思うよ」(ポガチャル)
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