【ツール・ド・フランス2024 レースレポート:第21ステージ】26年ぶりのダブル・ツール タデイ・ポガチャルがステージ優勝締めで3度目のツール制覇!「自転車競技の歴史においても最高の時代。全力で楽しまなくちゃ! そして次の目標は…」
2023年のオフシーズン、ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスの2冠を目指すと表明したとき、その成功をどれくらいの人が信じていただろうか。ここ2年は、ツールで勝つことができていなかったのである。ツールの復権を目指すというならまだしも、もうひとつグランツールを獲ろうだなんて。 【ハイライト】ツール・ド・フランス 第21ステージ|Cycle*2024
にわかに信じがたい壮大なミッション。遂行のために、より強くなって戦いの場へと現れる。タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)には、それを果たす強い意志があった。
イタリア・フィレンツェで6月29日に始まったツール・ド・フランス2024。初のイタリア開幕、初のサンマリノ入国、初のパリ不通過、初のニース閉幕…。初もの尽くしの“イレギュラー・ツール”は、いくつもの山々を超えて、141人の勇者たちが3週間の旅を終えた。その頂点に立ったのがタデイ・ポガチャル。第2ステージで手にしたマイヨ・ジョーヌは一度手放したものの、第4ステージで再び袖を通すと、以降、ジャージを脅かされることはなかった。もっとも、ピレネーとアルプスでは段違いの強さを見せつけて。ヨナス・ヴィンゲゴー(ヴィスマ・リースアバイク)、レムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ)、プリモシュ・ログリッチ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)と並んで“ビッグ4”と称された戦前だったけど、終わってみればポガチャルが異次元にいた。
「スーパーハッピーだよ! 今大会はすべて完璧で、毎日大きな自信を持って走り続けることができた。最初から最後まで、本当に気持ちよく走ることができていたんだ」(タデイ・ポガチャル)
すでに勝負は決していた。十二分なリードを持って、大会最終日を迎えていた。だから第21ステージの焦点は、誰が勝利を飾るかと、ポガチャル、ヴィンゲゴー、レムコの個人総合トップ3がどんな3週間の終え方をするのか、であった。
本当ならば、何かとんでもないドラマを主催者は演出したかったのかもしれない。パリへ行かず、ニースで終わらせるなら、個人タイムトライアルを設定してやれと。1989年の個人TT閉幕では、グレッグ・レモンがローラン・フィニョンを大逆転し8秒差でマイヨ・ジョーヌを獲得している。そんな幕切れを期待していたのだろうか。しかし、それはもうあり得ない。
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