畑仕事に夢中! 加藤紀子さんの夏支度を拝見。
なんといっても、収穫した野菜を料理して食べるのがいちばんの楽しみ。夏の食卓には、たっぷりの野菜を入れた自家製味噌の味噌汁が欠かせない。
「夏はツルッとしたものばかり食べがちなので、専用の炊飯器で炊く発芽玄米と、夏野菜のお味噌汁を食べて体を整えます。せっかく自分で育てた野菜だから、それに合わせる味噌や塩麹なども手作りするようになりました。サラダも、塩麹とビネガーとオイルだけでとびきりおいしいですよ」
収穫して味わうために始めたことだったはずが、いつからか畑に来て土に触れること自体が暮らしの中の大切なひとときに。 「畑をやっていると、季節の変化をつぶさに感じとることができます。まだ寒くても土が温かくなってきたら春が来たとわかってうれしくなるし、ここは静かだから小鳥の可愛いさえずりもよく聞こえて癒やされます」
夏が近づき、大変なのはこれから。野菜と同時にどんどん成長する雑草を取り、よく実るように芽かきをする。暑くなってくると日中の作業はさすがにキツいので、朝早く畑に来て、ひと作業してからテレビやラジオの仕事に向かうことも。
13年前に自分たちで畑をやってみようと動き始めたとき、まさかこんなにも夢中になるとは思ってもみなかったと加藤さん。
「夏支度だけではなくて、いつも次の季節の支度をするのが畑仕事。なので、やめるタイミングがないんですよ。気がついたら当たり前のように翌年の準備もしていたりします。よく、続いていてすごいねって言われるのですが、もはや、よほどの覚悟がなければやめられません。それに、季節のことをする、旬をいただくという暮らしは本当に豊かで幸せ。この先も飽きることはないだろうと思います」
加藤紀子 さん かとう・のりこ タレント テレビ、ラジオ、執筆など多方面で活躍。畑や暮らしの様子は公式ブログ「加藤によだれ」、集英社OurAge「畑からこんにちは」で更新中。
撮影・小川朋央、徳永 彩(KiKi inc./上杉さん) 文・黒澤 彩
『クロワッサン』1118号より
クロワッサン オンライン