ガソリンとコーヒーの向こう側にある意外な共通点とは!? バイク乗りのコーヒー屋デイドリップ通信VOL.14
どちらもほぼ100%輸入!?
こんにちは! バイク好きのコーヒー屋、Day Drip Coffeeのクロダです。コーヒーとバイク。それぞれに奥深い世界観を持つ魅力的な存在ですね。 【画像】価格高騰中のコーヒー豆を画像で見る(7枚) このコラムでは、そんな二つの世界を行き来するうちに見えてくるトピックをお届けしています。今回は石油とコーヒー豆について。バイクの燃料と言えばガソリンですよね。そのガソリンの原材料である「石油」と、飲料としての珈琲の原材料である「コーヒー豆」について、そのよく似た背景や、意外な現状などもご紹介したいと思います。
もう初っ端から結論めいた話ですが、石油もコーヒー豆も99%以上が輸入で、国内ではほぼ生産することが出来ません。ゼロじゃないのが気になって自給率をちょっと調べたら、石油の方はこの50年くらい0.5%未満(経産省資源エネルギー庁のエネルギー白書より)。
コーヒー豆の自給率は調べたけれどよく分からず⋯⋯おそらく年間1トン未満かと。輸入量は毎年40万トン近く(全日本コーヒー協会統計資料より)あるので、10万分の1以下。ゼロじゃないので99%以上なんて言い方しましたが、まあ事実上100%みたいなことです。 ちなみに世界全体の貿易で見ると、一次産品(自然の中で採取・採掘され、加工されていない産出品)で貿易額トップは文句なしに石油。そこは誰でも想像がつくと思います。驚くのはコーヒー豆がそれに次ぐ貿易額と言われていることです。 ただしこれも正確なデータを見つけられず⋯⋯。似たようなものとして、小麦、トウモロコシ、大豆あたりは貿易額ランキングのライバルですね。最近トウモロコシはバイオエタノールの原料として注目され、米国では生産量の4割がそっちに使われるとか。食べないコーン、びっくりです。
いずれも「先物取引」の対象
石油もコーヒー豆もそれほどまでに大きな国際的貿易商品ですから、いずれも「先物取引」の対象です。
また輸入頼りということは、当たり前ですが円相場の影響をモロに受けます。つまり石油もコーヒー豆も、巨大な経済マーケットの中に組み込まれたものなんですね。だから価格が上がったり下がったりするのは、例えば生産量(産出量や収穫量)増減の影響だけでなく、いわゆる投機筋が働いて、私たち一般人にはよく分からん所で価格がアップダウンする、なんていうことも良くあります。入り組んだ複雑怪奇な背景があるのですね。 日本の輸入先(どこからどれだけ買ってるか)の国別ランキングも、その構成が何だか似ています。石油は1位 サウジアラビア 39.5%、2位 アラブ首長国連邦 32.2%、3位 クェート 9.2%で、サウジとアラブの2トップです。コーヒー豆も2トップになっていて、1位ブラジル 35.0%、2位 ベトナム 27.9%、3位 コロンビア 9,6%。どちらも3位まで似たような割合ですね。 データをいろいろ書いたので、ちょっと読みづらかったかもしれませんね。でも似ていると思ったのは僕だけじゃなく、コーヒーの世界ではシェア1位のブラジルは「コーヒーのサウジアラビア」なんて例えられたりもします。話が脱線しますが、ベトナムが2位っていうのも意外じゃないですか? ベトナムはロブスタ種という豆の一大産地で、インスタントコーヒーや缶コーヒーの主原料です。普通にドリップするコーヒーにはまず使われないけど、重要な存在のコーヒーです。