シファ病院…「医療器具の後ろに武器弾薬」 イスラエル軍が映像公開 ハマスは「でっち上げ」
イスラム組織・ハマスの拠点があるとしてパレスチナ自治区・ガザ地区最大のシファ病院に突入したイスラエル軍。病院内部から多数の武器弾薬を発見したとする映像を公開しました。 ◇ イスラエル軍が15日に公開した映像では、イスラエル軍が突入したシファ病院の前で軍の報道官が説明していました。 イスラエル軍報道官 「これからノーカットで映像をお見せします。編集なしで病院内で見つかった物を見てください」 イスラム組織ハマスが使う武器弾薬が見つかったとして病院内を案内します。攻撃の跡なのでしょうか、天井やドアは破損しています。そしてカメラはMRIの検査室に入りました。検査機器の陰を指さし、武器弾薬が隠されていたと説明しました。 イスラエル軍報道官 「ここを明るく照らすと軍の装備品が見えます。ライフル、カートリッジ、弾薬もある。手投げ弾も見つかりました。すべてはMRIの機材の陰に隠されていたのです」 BBCなどの情報によると、ハマスの拠点があるとしてシファ病院で突入作戦を実行したイスラエル。100人以上の兵士と戦車やブルドーザーが病院の敷地内に入ったと伝えられています。 シファ病院の医師 「戦車が病院内を移動しています。まったく恐ろしい状況です」 ――何の音ですか? シファ病院の医師 「戦車からの連続射撃です」 イスラエル軍の報道官は武器弾薬を次々と示し、ハマスが病院にいた証拠だと訴えました。 イスラエル軍報道官 「こうした武器は病院と無関係なモノです。ハマスがここに拠点を置き、武器を使っていたのです」 しかし、今回、公開した映像には、イスラエルが病院の地下にあると主張していたハマス司令部の映像は含まれていませんでした。 ◇ 一方、ハマスの幹部は映像の内容を真っ向から否定しています。 ハマス幹部 「イスラエルはあからさまなウソをつき続けている。ウソとでっち上げの物語だ」 国際社会からは非難の声が上がっています。 WHO テドロス事務局長 「到底容認できない。病院は戦場ではない」 また、国連の安全保障理事会は15日、ガザ地区で戦闘の「人道的な一時停止」を求める決議を採択しました。決議は、子どもたちを保護する重要性を繰り返し強調。一方で、イスラエル側は決議に従わない意向を明らかにしています。 ◇ 同じ日、イスラエルのネタニヤフ首相はイスラエル軍の基地で「ガザ地区で我々が到達できない場所はない」と演説。 南部ハンユニスでは、空爆によるガレキの中から子どもが救出されましたが、AP通信によると子ども2人を含む3人が死亡しました。 中部の病院にも次々とけが人が搬送されました。 負傷した少年 「空爆が直撃したんだ」 国連機関は、現地のサービスが崩壊し通信も途絶しているため、ガザ地区の保健当局が4日連続で死者数を更新できていないと指摘。被害の実態が見えづらい状況となっています。