世界の研究者が驚いた観察眼「サルしかいない動物園」の高崎山が70年続く秘密 名物ボス、観光名所…でも本当に凄いのは職員
「ヤケイ一族は親子仲が代々悪い。娘ともめることなく仲良くし続けてほしい」と職員の江川順子さんは願っている。 ▽ガイドが身に着けた「サルの見分け方」は… ところで、ガイドたち職員はどうやって多くのサルを見分けることができるようになったのか。藤田さんによると、特別な方法はないようだ。 「集中し、一生懸命覚えるしかありません」 休み時間も使い、サル専用のノートにそれぞれの特徴を書き込むなど、努力を重ねてきた。ガイドをしている最中も、一匹一匹の性格やくせなどに言及することを欠かさない。 藤田さんが入園した30年前は現在のようにデジタルカメラが普及していなかった。このため、ノートにサルの顔を描いて覚えるなどの手段をとっていたという。「一生懸命、ホクロなどの特徴を探していましたね」と笑いながら振り返る。 高崎山自然動物園では現在、30分おきに餌の小麦を与えており、数百匹のサルの群れが、餌目当てに出現する姿を頻繁に見ることができる。
「ニホンザルの血液型の8割はB型です。B型の人はほぼサルなので、襲われないように気をつけてください」。藤田さんの軽妙なトークに、来場者からまた笑いが起きる。ベテラン従業員の「匠の技」が、今日も園を支えている。