日本語でのプロンプト入力でビジネスは変わる、グーグルのAI「Gemini」の強み
Geminiの新機能「Gems」で業務効率を改善
■Geminiの新機能「Gems」で業務効率を改善 グーグルが5月に開催した開発者会議では、Geminiの出力を細かくカスタマイズするための新機能として「Gems(ジェムズ)」も発表された。Gemsは目的に特化したビジネスシーンにGeminiを活用する際に有効だと、ベア氏はその特徴を語る。 「Gemsとは、Geminiの膨大な情報の中から、ユーザーが必要とする領域を的確にすばやく参照するための新しいアプローチです。AIチャットボットで使うことを想定して、最初にGemsが参照すべきドキュメントなどの情報を決めます。例えばGoogleカレンダーやスプレッドシートの、特定の場所を読んだり、社内就業規則のPDFドキュメントを読むといったルールを設定します。そのうえで、Geminiに『当社の有休休暇は年間に何日ある?』と聞けば、特定の目的や用途に合わせたカスタマイゼーションが行えます。企業の管理部門の担当者が全社員共通で使えるGemsボットをつくることも可能です」 Gemsの設定にプログラミングの知識は不要。一般のエンドユーザーが簡単にGeminiをカスタマイズできるよう、シンプルに設計されている機能だ。 Geminiに対応する機能を含むGoogle Workspaceの上手な使い方をユーザーに提供するため、Google Cloudでは2つのことに注力しているという。ベア氏に聞いた。 「Geminiのチャット機能を活用する際、入力するプロンプトのテキストにペルソナ・タスク・コンテキスト・フォーマットの情報を含めることを意識すると、より期待に沿う適切な回答を得ることができます。英語だけでなく、日本語の場合も同様です。企画戦略部門、営業部門などユーザーの仕事の内容に合わせた上手なプロンプトの書き方など情報を提供しています。もう1つ、カスタマーアドバイザリーボードを主催しています。参加されるお客様と秘密保持契約を結んだ上で、現在グーグルが開発中の製品について小規模なフォーラムのようなかたちで知識や経験を共有するようなスペースがあります」 ベア氏は、今後もユーザーから寄せられるフィードバックに多くのことを学び、「日本のお客様が求める使い方にも対応しながら安心・安全に使えるGoogle Cloudのサービスを積極的に改善していきたい」と語った。
山本 敦