フォンテインズD.C.が語るスマッシング・パンプキンズやKornからの影響――最新作「Romance」インタビュー
カーリー:そう。今回は、ライブでどう演奏するかは考えずに、僕たちがやりたいと思ったことをどんどん曲に詰め込んでいった。これまでのアルバムとは全く違う、新しい作曲方法だったよ。
――先ほど名前が挙がったスマッシング・パンプキンズ以外で、今回のサウンドのリファレンスとなったアーティストはいましたか。前作ではプライマル・スクリームやデス・イン・ヴェガス、ロニ・サイズなどを挙げていましたが。
トム:デフトーンズもそうだと思う。
カーリー:間違いないね。あと、2000年代前半のKorn(コーン)のレコードも大きかったと思う。でもそれは、一般的にいう“影響”とは違っていて。サウンドそのものに影響を受けるっていう意味じゃなくて、その音楽から感じるエネルギーとか、その音楽が作り出す世界観みたいなものが僕らの心に染み込んで、自然と自分たちの音楽に影響を与えた感じだね。
――Kornの名前は、グリアンもCrack Magazineのインタビューで挙げていましたね。ただ、フォンテインズD.C.とKornって、意外すぎる組み合わせというか、これまでのイメージからするとあまりにかけ離れていて……。
カーリー:まあそうだよね(笑)。ただ、Kornや、それにスリップノットのようなバンドにしろ、従来の音楽の枠を超えたヘビィでアグレッシブなサウンドと、衝撃的なビジュアルを融合させることで独自の世界を築き上げている点で革新的だったと思う。ポスト・モダンな要素を取り入れながらも、決して時代遅れになることのない、新鮮なエネルギーが感じられる。さっきのファッションの話ともつながるけど、そうして自分たちでビジュアルとサウンドを一体化して、一つの世界観みたいなものを作り上げているところに、一番インスピレーションを受けたんじゃないかな。
――ちなみに、今回のアルバムでブレイクスルーになった曲は?
トム:「Here's The Thing」かな。あの曲は、このアルバムがこれまで自分たちがやってきたこととは全く違うものである、ということを体現していると思う。「このアルバムが何を表現しようとしているのか?」という問いに対する答えの多くと結びついているというか。