紀州のドン・ファン殺害事件 “しゃがれ声”の『覚醒剤の売人』出廷 注文受け数時間で和歌山へ急行「路地の暗い場所で渡した」「女性に4~5グラム売った」元妻と売人仲間の携帯電話に通話履歴も
須藤被告は“手を組み”動揺の様子は見せず 証人は改めて“渡したのは本物の覚醒剤”と断言
検「最後に訊きます。あなたが客に交付したものは何ですか?」 売「覚醒剤です」 検「本物の覚醒剤でしたか?」 売「はい」 上下黒のスーツに白いブラウスを身にまとった須藤被告は、検察官の尋問を手を組みながら聴いていた。傍聴席からは、特に動揺した様子は見られなかった。 検察側が有罪立証の、“最大の切り札”として出廷させた重要証人の男性。しかし、その後も続いた検察官の尋問や、弁護人の尋問によれば、この男性は、捜査当局の取り調べに対し当初は、“女性客には(覚醒剤に見せかけて)氷砂糖を渡した”と供述していたという。理由について男性は、「当局を警戒していたから」だと述べた。 さらに弁護側の証人尋問によれば、“女性客に渡す前に本物の覚醒剤かどうかを携帯電話のライトで確認した”という供述を、去年5月の取り調べから急に始めたという。そのあたりの供述の変遷などを、裁判官と裁判員がどう判断するかが気になるところだ。 次回の公判は10月3日に行われる。 (MBS報道センター 松本陸)