紀州のドン・ファン殺害事件 “しゃがれ声”の『覚醒剤の売人』出廷 注文受け数時間で和歌山へ急行「路地の暗い場所で渡した」「女性に4~5グラム売った」元妻と売人仲間の携帯電話に通話履歴も
「紀州のドン・ファン」と呼ばれた資産家・野﨑幸助さん(当時77)が殺害された事件で、殺人などの罪に問われた元妻・須藤早貴被告(28)の裁判。10月1日の第7回公判で、事件の約1か月半前に “覚醒剤の密売人”として、和歌山県田辺市内で女性に覚醒剤を売り渡したとみられる男性が、証言台に立った。検察側は“覚醒剤を購入した女性客は須藤被告だった”と主張している。 【画像を見る】車の中から顔を見せる須藤被告
パーティションで遮蔽 男性「売人です」 話し方は少し“べらんめえ口調”
10月1日午後。和歌山地裁の法廷。 証言台をパーティションで完全に遮蔽する形で、ある男性への証人尋問が始まった。話し方は少し“べらんめえ口調”。声はしゃがれている。 (以下、検察官=検 証人=売) 検「平成30年(2018年)頃、どこに住んでいましたか?」 売「大阪市のマンションに住んでいました」 検「何をしていましたか?」 売「売人です」 検「何の?」 売「覚醒剤とか」 事件の鍵を握るとみられる人物が、ついに証人として出廷した。
2018年4月に密売人に電話注文が入る… 値段は「10万~12万くらい」配達先は「田辺と聞いた」
法廷での供述によれば証人の男性は、2018年1月頃からインターネット上で、“密売人仲間”の男性とともに、「アイス」「氷」といった覚醒剤の隠語を使い、金額や電話番号を載せて購入希望を募っていたという。覚醒剤の仕入れは仲間がするケースもあれば、男性がするケースもあった。 検「覚醒剤を(購入希望者に)配達したことはありますか?」 売「あります。和歌山とか」 検「和歌山に配達したのは何回?」 売「1回」 検「いつ頃?」 売「(平成)30年(2018年)の4月頃」 検「(証拠によれば)平成30年の4月7日に行っているが、記憶と合う?」 売「はい」 検「注文は誰に入った?」 売「○○(筆者注:密売人仲間)に」 検「どういうふうに注文が入った?」 売「電話で」 検「量とかは?」 売「確か4か5」 検「グラムということですか?」 売「はい」 検「代金は?」 売「10万から12万くらい」 検「和歌山のどこかは聞いていない?」 売「田辺と聞いた」 検「どうやって行くことにしましたか?」 売「車で」 検「時間帯は覚えている?」 売「たぶん(夜の)7時か8時くらい」