試合で勝った後、畳から下りる際に階段を踏み外した永瀬貴規（撮影・吉澤敬太）

　「パリ五輪・柔道男子８１キロ級・２回戦」（３０日、シャンドマルス・アリーナ） 　五輪連覇を目指す永瀬貴規（３０）＝旭化成＝はアプラハミアン（ウルグアイ）と初戦で激突。合わせ技一本で快勝発進した。 【写真】まさかの階段踏み外し　海外の女性テレビクルーも思わず笑っちゃった 　激しい組み手の奪い合いとなった序盤。永瀬は落ち着いて対処した。しつこく相手の襟を持ちながら試合を進めると、鮮やかに合わせ技一本で初戦を突破した。 　重圧のかかる初戦を突破し、畳の上では少し笑みもこぼした永瀬。だが大きな拍手を受けながら畳から降りる際、階段を踏み外してしまった。 　ガクンとなった五輪王者に目の前にいた秋本コーチも思わず「おおっ」と驚きの表情。たまさかのハプニングに会場から「おおっ…」と心配する声があがり、笑いも漏れていた。踏み外してしまった本人は苦笑いで控室へ引き揚げていった。 　３回戦ではトルコの難敵に延長戦の末に勝利。準々決勝進出を決めたが、秋本コーチから「気をつけて降りろ」とアドバイスされ、慎重に階段を降りていた。 　準決勝では世界ランク１位のカス（ベルギー）との対戦となったが、延長戦の末に技ありを奪って勝利。準決勝進出を決め、五輪連覇へあと２勝、３大会連続のメダルへ王手をかけた。 　◆永瀬貴規（ながせ・たかのり）１９９３年１０月１４日生まれ。長崎県出身。１５年世界選手権優勝、リオデジャネイロ五輪銅メダル。全日本選抜体重別選手権は１４年から４連覇するなど優勝６度。２１年東京五輪では金メダルに輝いた。得意は大内刈り、内股。長崎日大高－筑波大を経て旭化成。１８２センチ。