ポストシーズンも見逃せない! プロ野球、セ・パ最注目選手はこの4人だ!
象徴的なシーンとして、お股ニキ氏は9月1日の阪神戦、最後の場面を挙げる。 「足の速い近本光司に対して、フォークで三塁への併殺打を打たせました。そのイメージができていて、狙ったコースにきっちりと投げられる自信もあったからこそ、守備位置の指示も事前に出していたんです。 今の菅野は変化球で併殺を狙って奪えるだけでなく、改善したフォークやカーブで三振も奪えるし、変化球を意識させてストレートでも刺せる。小林誠司の配球も変幻自在です」 お股ニキ氏は、ポストシーズンでのピッチングにも期待を寄せる。 「巨人が最後に日本一になったのは菅野が入団する前年の2012年。『自分の力で頂点を取っていない』という思いはあると思います。菅野といえば、"第1次全盛期"ではシーズン終盤に調子を落としがちでしたが、今季は尻上がりに状態を上げています。覚悟を持って復活を遂げた今季、最後は日本一に上り詰めることを期待しています」 ■誰もが認めるエースに近づく伊藤 パ・リーグで注目したい投手は日本ハムの伊藤大海(ひろみ)だ。 13勝4敗の成績は有原航平(ソフトバンク)と並んで勝利数1位タイ。勝率では堂々の1位で、4完封は両リーグ最多。その4度目の完封劇を見せた9月18日のソフトバンク戦について、新庄剛志監督が「1回と9回のスピードが変わらない。力感なくリリースポイントに100%の力を伝えられる投げ方を完璧につかんだ」と絶賛するほどの出来栄えだった。 伊藤といえば侍ジャパンの常連であり、日本ハムのエース格として誰もが認めるところ。しかし、通算3年で27勝28敗と負け越すなど、絶対的な存在だったわけではなかったが、今季覚醒できたのはなぜなのか? お股ニキ氏はきっかけとなった試合として、今季2度目の完封を果たした7月28日の西武戦を挙げる。 「伊藤本人が試合後、『ストレートの握り方をこの1週間で変えた』と語っていましたが、実際に球速はそれ以前と比べて平均で3キロほど速くなりました。 8月はまだ新しいスタイルへの調整がうまくいかないこともありましたが、9月には安定感が増して2試合連続完封。ソフトバンク相手に敵地で決めた完封は価値が高く、球界を代表する投手へと成長を遂げました」