【アメリカ】トヨタ「tC」がスゴイ! “セリカ後継機”な「コンパクトモデル」! MT&“スーパーチャージャー”設定アリの最量販モデルとは
トヨタの5人乗りコンパクトクーペ?
トヨタが北米地域とカナダで若年層をターゲットとして2003年から展開していた「サイオン」ブランド。このブランドからは「xA(日本名トヨタ イスト)」や「xB(日本名トヨタbB)」、「FR-S(日本名トヨタ86)」といったモデルがリリースされていました。 【画像】超カッコイイ! トヨタ「5人乗り“クーペ”」を画像で見る(77枚) そんなサイオンブランドで最も多くの販売台数をマークしたモデルは「tC」というモデルだったのですが、このモデルは日本で販売されることはありませんでした。今回はそんなtCを振り返ってみましょう。
2004年に発売を開始したtCは、3ドアハッチバックの5人乗りクーペで、前輪駆動車。北米地域ではスペシャリティクーペとして存在していたセリカの実質的な後継車種としてデビューしました。 搭載されるエンジンは直列4気筒2.4Lの排気量を持つ2AZ-FE型で、日本でも「アルファード」や「エスティマ」、「カムリ」などの2.4リッターモデルに搭載されていたおなじみのもの。ただスポーティな雰囲気を持つモデルということもあり、4速ATのほか5速MTが用意されていた点が特徴となっています。 当時のサイオンは他のモデルも含めてグレード展開をするのではなく、オプションパーツを追加することでユーザーの個性を演出する方法を採用しており、tCにもTRDブランドを冠したオプションパーツが豊富に用意されていました。 このTRDパーツはアルミホイールやマフラー、ダウンサスといった定番アイテムだけでなく、本格的なサスペンションキットやリミテッドスリップデフ(LSD)、強化クラッチ、果てはスーパーチャージャーキットといった本格的なチューニングパーツまでラインナップしていたことも特徴だったのです。 そして2010年には2代目へとフルモデルチェンジ。3ドアハッチバックのクーペという基本形はそのままに、プラットフォームを一新。 駆動方式は引き続き前輪駆動を継続しますが、エンジンを直列4気筒2.5リッターの2AR-FE型に変更し、トランスミッションもAT、MTともに6速として多段化を図っています。 また初代モデルはサイオン専売モデルとなっていましたが、この2代目モデルは中国や中東でトヨタブランドからZelas(ゼラス)として販売されていた点も特徴でした。 2012年モデルからはtCと同じクーペモデルのFR-Sがサイオンのラインナップに仲間入りしますが、FR-Sが2万4900ドルからという価格だったのに対し、tCは1万8575ドルからと安価だったことも手伝って、サイオンブランドの最多販売の地位は引き続きキープ。 その後、サイオンブランドが2016年8月に終焉を迎えるとtCも終売となり、実質的な後継車種としてはトヨタブランドへ移行された86がその座を受け継ぐこととなりましたが、“安価な”クーペモデルとは言い難く、今でも中古車としてtCは根強い人気を誇っているようです。
小鮒康一