国産ミニバンにはない使い心地? フィアット ドブロ マキシの使い勝手チェック【後編】
2列目シートは及第点、3列目シートはかなり快適性が高い。
続いて2列目シートを見ていきます。こちらは3座が独立していて左、中央、右のいずれも座り心地は同じように感じられました。幅に関してはフロントシートや3列目シートと比べると若干狭く感じます。ちなみに、2列目シートは3座すべてにISO FIXチャイルドシートアンカーが備わっていて、この点は子連れのファミリーには喜ばれるかもしれません。 さらに、2列目シート用エアコン吹き出し口やシートバックテーブルも備えられており、床面はフラットで左右方向の移動がしやすいなど快適性を上げる装備も備わっています。気になる点としてはスライド機構がないことや国産車では装備されることが増えてきたサイドウインドウにサンシェードがないことくらいです。 驚かされたのが3列目シートです。国産ミニバンではあくまでもエマージェンシーシート的な位置づけでシートクッションの厚みが薄く座り心地がイマイチ、座面が低くて着座すると体育座り(三角座り)のようになってしまう、コンパクトミニバンではひざ周りがかなり窮屈などなど、乗員から苦情が出ることも少なくありません。 ですが、ドブロ マキシの3列目シートにはそんなネガティブな要素は一切感じられません。身長180cm弱の筆者が座ってもひざ周り、頭上空間ともに余裕たっぷりで、シートのサイズは2列目よりも大きく座り心地にも不満はありません。 また座面位置がやや高いためアイポイントが高く、前方視界も良好です。人によっては2列目シートよりも3列目のほうが快適と感じる人がいてもおかしくないレベルです。また左右3列目シートの間には通路があり、荷室スペースへのアクセスも容易にできる点も国産ミニバンには見られない特徴と言えます。
ガラスハッチに最大積載長3060mmなど「個性」が光る荷室
次にラゲッジスペースを見ていきますが、まずはバックドアについてからです。バックドアは大きめなのですが開閉にはさほど力は必要ありませんでした。しかもこのバックドアには最近のモデルでは採用例が減ってしまったガラスハッチが装備されていて、スペースに限りがある駐車場などでの荷物の出し入れなどの際には重宝しそうです。 そんなバックドアを開けると開口部は広く、床面も低めです。今回はお借りしたクルマということで試しはしなかったのですが、バンパー上部がステップ状に後方に張り出しているのでここに足をかけてバックドアから車内に乗り込む、といった使い方もできそうです。 3列目シートは前方にタンブルして荷室を広げることもできますが、レバーを操作だけで取り外すこともできます。3列目シート1脚あたりの重さは決して軽くはないのですが、成人男性であれば苦労せずに持ち上げられます。3列目シートを取り外すとフラットな荷室が出現します。 ただし、これだけではありません。2列目シートは折りたたむと座面ごとダイブダウンしてほぼ荷室床面と同じ高さに格納できます。さらに助手席もアームレストを外せば折りたたみが可能で、車内長をフルに使って長尺物を積むこともできるのです。助手席折りたたみ時の最大積載長は約3060mmで、サーフィンのショートボードはもちろん、ロングボードも車内に積めるほどの積載能力を持っているのです。