Firefoxの新機能をオフにすべき理由。「プライバシー保護」を謳ってはいるが…
Firefoxはときどき、難しい立場に陥ることがあります。というのも、プライバシーを保護するブラウザを目指している一方で、Firefox運営資金の大半はGoogleから来ています。つまり、広告でビジネスが成り立っているのです。 Firefoxは2024年7月、ウェブブラウザ「Firefox 128」をリリースしました。この新バージョンには、「プライバシー保護された広告解析」という機能が追加され、デフォルトでオンになっています。 この機能は、プライバシー保護という名前ではあるものの、その実際の影響について怒りを示すユーザーたちがいます。
「プライバシー保護された広告解析」とは?
Firefoxを運営するMozillaはブログ投稿で「この新機能は、広告主向けのウェブ標準を形づくることを目指してデザインされた実験的なものであり、Cookieへの依存は少ないものの、何らかの方法でユーザーをトラッキングする」と説明しています。 Mozillaによると、プライバシー保護された広告解析が使われているのは今のところ、ごくひと握りのサイトだけであり、その目的は、広告に効果があったかどうかを確認することだそうです。 広告の効果を確認したいと考える広告主は現在、Cookieやほかのトラッカーを使っています。その際に、ユーザーに関する情報を可能な限り収集しており、これがプライバシーの侵害になっているわけです。 プライバシー保護の対策も講じているが… Mozillaは、個人のアクティビティを特定することなく、広告主が広告の効果をトラッキングできるようにしたいと考え、その妥協案として「プライバシー保護された広告解析」を導入したのです。 この「プライバシー保護された広告解析」によって、サイト側はFirefoxに対して、ユーザーが広告をクリックしたのか、そして、広告が求めているような行動(商品の購入など)をしたのかというデータを求めることができるようになります。 Firefoxは、こうしたデータを広告主にそのまま提供するわけではなく、事前に暗号化、集約化、匿名化を行ないます。要するに、ユーザーのブラウザ上での行動やほかのデータについては広告主から隠されますが、広告の効果の有無は確認できるということです。 これは、Chromeのプライバシーサンドボックスにある機能と似ていますが、Google自身は、プライバシーサンドボックスの実装にあたって、規制上の問題にぶつかっています。