はやぶさ2の状況は? JAXA会見(全文2)「ONE TEAM」を構築できた
24時間体制でJAXAを支援
益田:今、お話で挙げていただきました、NECの益田と申します。よろしくお願いいたします。ここから運用の技術支援という中でNECが行なってきた作業について、簡単ではありますがご説明をさせていただきたいと思います。まず、運用の現場で、一番テレビとかニュースとかに取り上げていただく機会も多い運用の現場ですけれども、今までお話に挙げていただいたとおり、24時間体制でわれわれのほうもJAXAさんの支援をさせていただきました。 こちら運用の一風景の写真が写っておりますけれども、こちらで黄色い丸が付いているのはNECの関係のメンバーになるということになります。ここでは7人写っています。だいたい3交代ですので、最大8人とか、運用によってもう少し多いときもあるんですが、そういったところで、トータルで30名以上のメンバーが運用に入っています。運用ごとに多少、大小はあるんですけれども、入っております。主にモニタリングですとか、何か起こったときの原因究明、対処、先ほど佐伯さんからもご説明があったような対応をしています。 これが現場の話なんですけれども、現場に行く前に、これも佐伯さんからもうすでにいろいろお話しいただいておりますが、事前の準備の段階からNECも深く関わらせていただいております。小惑星へ到着する前から運用の設計というのを行なっておりまして、一番難しいのが小惑星の形状ですとかそういったデータが分からない、ほとんど推定値でこんなものかなというようなデータの中で運用設計をしなければいけないという難しさの中で、そういった不確定性をある程度、考慮して、ここまでの不確定性はできるようにしましょうといったところをJAXAさんと合意をしながら運用の設計を進めてまいりました。それに従って運用計画書、運用手順を作成して小惑星到着に備えるというようなことを進めてまいりました。
万が一の間違いをなくすため、互いにレビュー
実際に手順を作るときには各観測結果のほうをJAXAさんのほうでいろいろ分析をしていただきまして、例えばタッチダウン地点をここにしましょうとか、それはすごい大変だったわけですけれども、そういった決定を受けまして、それを含めてNECは計画書に従って手順を作成すると。ここのタッチダウン地点がこういうふうになったらこういうふうに計画が影響していくというふうなところが計画書に書かれているとおりに従って手順を作成していきます。その作成した手順を、さまざまなシミュレーション等を通して検証をしてまいります。そのあと、シミュレーションといっても限界があったりしますので、JAXAとNECの間で万が一の間違いがあってはならないということで、お互いにレビューをすると。先ほど1000件見つかったというようなレビューはここになります。その結果を反映して手順を出して、運用に使うといった作業の流れで進めさせていただきました。 ここまでは基本的に、計画でもともとこういうふうにすると決めたいたところなんですけれども、実際の運用の中ですと、これも先ほどいろいろ、津田先生からも佐伯さんからもいろいろご説明ありましたけれども、タッチダウンをする中では、小惑星の形状が非常に凹凸が激しいと。もともと思ってた平地っていうのは想定があったんですけれども、それよりもそういった平地がないというところで非常に難しい対処を迫られることになりました。 【書き起こし】はやぶさ2の状況は? JAXA会見 全文3に続く