ANA、ベトナムでCA採用 芝田社長「北米へ乗継多い」
全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)の芝田浩二社長は10月31日、ベトナムで客室乗務員を採用することを明らかにした。ANAが海外に展開する客室乗務員の基地としては6カ所目となり、2025年度上期をめどに乗務開始を目指す。ベトナムから北米へ向かう乗り継ぎ客の満足度を高める狙いがある。 【写真】ANAが欧米路線に投入している個室ビジネスクラス 芝田社長は「外国籍のお客様が増えており、できるだけいろんな方に満足していただきたい。ベトナムから成田・羽田を経由して北米へ向かうお客様が多数いらっしゃり、ベトナム語でサービスできれば双方にメリットがあると思う」と狙いを説明した。 ANAは現在、客室乗務員の海外基地を欧州、中国、台湾、韓国、タイに展開しており、ベトナムは6カ所目。ANAHDは2016年にベトナム航空(HVN/VN)へ出資するなど、ベトナム市場に目を向けている。 「アジアを見るとシンガポール航空(SIA/SQ)とのジョイントベンチャー(JV)等の計画を進めており、太平洋ではユナイテッド航空(UAL/UA)とも(JV)をやっている。世界戦略の中でベトナムをどう位置づけるかは、社内で議論している」(芝田社長)と、今後のベトナム路線拡大などについては言及を避けた。 31日にANAHDが発表した2024年4-9月期(25年3月期第2四半期)連結決算(日本基準)は、純利益が前年同期比13.3%減の807億7800万円。売上高が9.7%増の1兆995億8700万円、営業利益は16.5%減の1083億7400万円、経常利益は11.7%減の1123億8300万円となった。 通期見通しは、補償獲得による営業外収益の増加で、経常益と純利益を4月26日の発表から100億円ずつ上方修正。売上高が前期(23年3月期通期)比8.0%増の2兆2200億円、営業益が18.2%減の1700億円、経常益が18.1%減の1700億円(見直し前は1600億円)、純利益は23.6%減の1200億円(同1100億円)を見込む。
Tadayuki YOSHIKAWA