藤田菜七子騎手

藤田菜七子騎手（27）＝美・根本＝の引退届提出から一夜明けた11日朝、美浦トレセンの関係者は驚きと悲しみに包まれていた。 JRA競馬学校騎手課程で同期にあたる菊沢一樹騎手は「昨日（10日）朝に会った時に事情も含めてそういうことになったら（騎手を）やめることを聞いていました。そうならないことを願っていたのですが…。乗馬苑時代から一緒に一生懸命やってきて、同期から初めて引退する人が出て、しかもこういう形ですから悲しいです」と心境を告白。「昨日の朝、菜七子は元気もなかったし、（引退の）心も決まっている感じだったので僕は話を聞くだけでしたが、今まで菜七子がやってきたことはすごいことだと思うし、この先も忘れないでいたい。これから出てくる若い子たちも、菜七子がいたから女性ジョッキーが活躍できるようになったのを忘れないでほしいし、僕もそれを伝えていきたいです」と話した。 藤田騎手が初勝利（2016年4月10日福島9R）を挙げた際に騎乗したサニーデイズを管理していた相沢調教師は「競馬界にとって久しぶりに誕生した女性騎手で人気も出て、後に続く女性が増えたのは菜七子の力だよね。中央での初勝利はうちの馬で、福島のファンがみんなすごく喜んでいた光景をついこの間のことのように覚えています。女性騎手の先駆者ですし、引退は残念です」と惜しんだ。