バレーボール・宮浦健人が語る、日本復帰。海外で掴んだ成長。「結果は絶対出さないと」日本代表に懸ける胸中とは?
日本に戻ってプレーするという決断
――そういう選手たちに刺激を受けて、世界の舞台でステップアップしていきたいという思いもあったと思いますが、今シーズンは3年ぶりに日本に戻り、ジェイテクトSTINGSでプレーする決断をしました。悩んだのでは? 宮浦:そうですね。2024-25シーズンは(Vリーグが)SVリーグに変わって、システムも変わり(外国人枠が1から2に増えるため)みんなが知っているような世界のビッグスターが入ってきます。(日本人選手の)移籍も活発になって、本当にそれぞれが、自分の求めているチームに行くようになりましたし、リーグのレベルは間違いなく上がると思います。 だから自分としても、日本でやる選択がステップダウンかと言えば、そうは思わないので。ただ自分の頭の中には成長し続けたい、まだまだトップでやり続けたい、トップを目指し続けたいというのがあって、そのために、いろいろなオファーの中から、毎年最適解を選択できたらいいのかなと思っています。 ――今シーズンは、例えばイタリアやポーランドのチームからのオファーもあったのですか? 宮浦:まああったといえばあったんですけど、いろいろな条件だったり交渉の中で、という感じですね。 ――SVリーグがスタートする年に宮浦選手が戻ってくれば日本はますます盛り上がりますね。 宮浦:やっぱり日本のリーグが上がっていくことは、自分としても重要なことですし、いい外国人選手が来るというのはありますが、でも日本人がそのトップのレベルに追いついていかないと、やっぱり日本のバレーが世界のトップには近づいていかないと思うので、そこは自分も頑張らなきゃいけないと思っています。
日本代表で「試合に出られない」環境との向き合い方
――日本代表では、宮浦選手は好調であっても先発ではなく二枚替えや途中出場で起用されることが多いですが、いつもアップゾーンで入念な準備を欠かさず、コートに入れば必ず結果を出します。学生時代に大エースだった選手が、そういう立場で腐ることなく結果を出し続けることは当たり前のことではないと思うのですが。 宮浦:昨年も自分は試合に出られないことが多かったんですけど、そこはただただ自分に力がないだけなんで。でも二枚替えやブロックというところで出る可能性はあるので、そこで結果は絶対出さないといけない。そのためにはやっぱり最大限の準備をしないといけない。それをしなくて結果を出せなかったらなんにもならないんで(笑)。結果を出すために、というところは常に意識していますし、チームに求められているところは100%出していきたいので。 ――日本代表やポーランドで、試合に出られなくてへこんだりしたことは? 宮浦:あまりないですね。へこんで何もやらないということじゃなくて、もちろん悔しい思いはあるので、そのエネルギーをどう変えるかですね。試合に出て何もできなかったとか、うまくいかなかったことに対してへこむことはありますけど、そこで、なんでできなかったのかを考えて、成長したり、もっとできるようになりたいという思いはより増します。 ――負の感情に支配されることなく、全部前向きに変わるんですね。 宮浦:そうですね。マイナス思考になっても何も生まれないし、自分のためにならないので、「じゃあどうしていくか」というところだけ考えています。 ――いつ頃からそんなふうにできるようになったんですか? 宮浦:いつだろう……やっぱり学生時代、特に鎮西高校の時に、鎮西ってエースのバレーなので、自分自身がすごく責任というのを感じるようになって、そこで常に矢印を自分に向けられるようになったというか。自分のプレーがダメで負けた時に、「もっともっと成長しないといけない」と。そのサイクルを繰り返したことで、今のメンタリティになったのかなと思います。