バレーボール・宮浦健人が語る、日本復帰。海外で掴んだ成長。「結果は絶対出さないと」日本代表に懸ける胸中とは?
ライバルからの刺激「そういう選手がトップになるんだなと」
――ポーランドでは試合にあまり出られず、しんどい時もあったということですが、昨年石川祐希選手が、「海外ではその時の環境を楽しめていないときついけど、宮浦選手に『ポーランドどうだった?』と聞いたら、『よかったですよー』という答えが返ってきた。どんな環境でも楽しめる感じなら、海外でも長く続けられるんじゃないか」と話していました。 宮浦:ポーランドは、確かにしんどいこともありましたけど、すごく行ってよかったなと思っているんです。バレーのレベルも、練習の強度もめちゃくちゃ高いですから。ファンもすごく熱くて試合の雰囲気はヤバいですし(笑)。街は静かなんですけど、みんな温かくて、街で声をかけてくれたり、ファンとの距離が近い。スープだとか、ご飯もすごくおいしかったですし。自分にとっては全部がいい経験で、トータルしたら楽しかった。チームメイトともたくさんいろんなことができましたし。 ――ポーランドのPSGスタル・ニサでオポジットのポジションを争ったワシム・ベンタラ選手は、2023-24シーズンはイタリアの強豪ペルージャに移籍し、セリエA優勝を果たしましたね。 宮浦:今もたまにインスタに連絡がきますよ。僕が何か投稿したら、コメントしてくれたり。ポーランドにいる時もすごくいい関係で、一緒に遊びに行ったり、仲良くしていましたし、練習ではお互いに刺激しあってやれていたのですごく良かったと思います。彼との出会いも、自分をいろんな部分で成長させてくれました。 ――彼の今の活躍は刺激になっていますか。 宮浦:めちゃくちゃ刺激になっています。身近にあれだけの選手がいたということで、どれだけやれば世界のトップになれるんだというところが、なんとなく見えた気がします。彼はめちゃくちゃ負けず嫌いなんです。ヤバいですよ(笑)。自分がよくないプレーをした時はめちゃくちゃへこむし、自分にキレるし。サーブとか、ダメだった時はめちゃくちゃ練習するし。そういう選手がトップになるんだなと。 ――刺激という意味では、サッカーの名門チーム、パリ・サンジェルマンの試合を観戦されたそうですが、それもいい刺激に? 宮浦:はい。同じスポーツですけど、サッカーは規模が違うし、コート(ピッチ)に立っている選手が輝いて見えました。特にやっぱりキリアン・エンバペ選手は、その中でもより輝いて見えましたし、プレーでも違いがハッキリしていて、歓声もものすごかった。エンバペって名前がコールされただけでスタジアムがガーッ!と沸いて。「うわ! カッケー!」と鳥肌が立ちました。パリ・サンジェルマンにはアジアの、韓国の選手もいるんですけど、そうやってアジアから出て世界のトップでやっている姿もすごく輝いて見えたし、自分もそんな選手になりたいと思いました。