<麻宮騎亜>「宇宙戦艦ヤマト」があるから「今の自分がある」 アニメーター復帰と引退 リメークシリーズに込めた思い
「サイレントメビウス」「快傑蒸気探偵団」などで知られるマンガ家の麻宮騎亜さんと人気アニメ「宇宙戦艦ヤマト」のリメークシリーズには深い関わりがある。麻宮さんはマンガ家だけでなく、アニメーターとしても知られている。1996年放送の「機動戦艦ナデシコ」内の「ゲキガンガー3」の原画を最後にアニメーターとしての仕事を中断するが、2013年にテレビ放送されたリメークシリーズ第1作「宇宙戦艦ヤマト2199」で、アニメーターに復帰。以降もリメークシリーズの絵コンテ、レイアウト、ビジュアルなども手掛け、リメークシリーズの最新作「ヤマトよ永遠に REBEL3199」のティザービジュアルを描いたことも話題になっている。麻宮さんに「宇宙戦艦ヤマト」への思い、リメークシリーズとの関わりなどについて聞いた。 【写真特集】麻宮騎亜が描く令和のヤマト! 格好いい 第三章も! ビジュアル一挙に
◇復帰のきっかけは出渕裕への相談
第1作となるテレビアニメ「宇宙戦艦ヤマト」は半世紀前、1974年に放送をスタートした。大きなムーブメントとなり、その後のアニメに大きな影響を与えることになる。麻宮さんも大きな衝撃を受けた一人だった。麻宮さんが「宇宙戦艦ヤマト」に参加したのはリメークシリーズが初めてではなかった。1983年公開の「宇宙戦艦ヤマト 完結編」にも動画として参加していたという。
「放送が始まったのは小学5年生の時です。僕の田舎は当時、民放が2局しかありませんでした。『侍ジャイアンツ』が終わって、『ヤマト』の予告を見て衝撃を受けました。これは来週から見なければ!と予告でやられてしまったんです。それまで見ていたアニメとは違った。ただ、周りはあんまり見ていなかったですね。(裏番組の)『猿の軍団』を見ている人が多かったかな? 『ヤマト』はアニメ雑誌が生まれるきっかけになって、それを見てアニメーターという仕事を初めて知りました。絵を描くことで、ご飯を食べていけるのなら……とアニメーターを目指すようになったんです。アニメーターになって初めての仕事は『完結編』の動画でした」