<麻宮騎亜>「宇宙戦艦ヤマト」があるから「今の自分がある」 アニメーター復帰と引退 リメークシリーズに込めた思い
◇アニメーターは“引退”
「2199」の続編として2017~19年に劇場上映された「宇宙戦艦ヤマト 2202 愛の戦士たち」にも参加することになる。「2202」の監督を務めたのは羽原信義さんだ。麻宮さんと羽原さんは「快傑蒸気探偵団」「機動戦艦ナデシコ」「天空戦記シュラト」「超音戦士ボーグマン」などさまざまな作品で“縁”がある。
「『2202』では、羽原さんとまずはオープニングの構想を考えました。2人でファミレスで話しながら、僕がその辺にあったナプキンに、こんな感じですかね……と描いて、絵コンテのベースを作りました。レイアウト、原画、絵コンテ、版権のイラストをやっています。プラモデルのパッケージイラストも始めました」
2021年に公開された「2199」「2202」の総集編「『宇宙戦艦ヤマト』という時代 西暦2202年の選択」にも参加する。
「総集編の新作シーンの絵コンテ、メカの新規カットを全部一人でやっています。レイアウト、原画も全部。総集編に参加して、自分のアニメーターとしての限界が見えてしまい……。アニメはみんなで作る総合芸術だから、ほかの人に迷惑が掛かると思い、アニメーターを辞めることにしました。もうやりません。引退です」
ファンにとっては残念でしかない“引退宣言”ではあるが、「宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち」や最新作「ヤマトよ永遠に REBEL3199」にも参加している。
「『2205』ではスリーブのイラストや後章ではティザービジュアルをやらせていただき、『3199』でもティザービジュアルを描かせていただきました。そのほかに本編のディティールアップ、絵コンテを2本やって、イメージボードのようなドローイングも描いています。第一章ラストカットのヤマトは僕の絵です。ドローイングは、絵コンテなどの参考のために描いたのですが、いつかどこかで公開できる機会があればいいですね」