<麻宮騎亜>「宇宙戦艦ヤマト」があるから「今の自分がある」 アニメーター復帰と引退 リメークシリーズに込めた思い
麻宮さんは“菊池通隆”名義でアニメーターとしても活躍してきたが、マンガに集中するため、アニメーターとしての仕事を中断する。しかし、「2199」を手掛けた出渕裕監督からの直接のオファーがあり、アニメーターとして復帰することになる。
「キャラ原案をやっていた『機動戦艦ナデシコ』内の劇中アニメ『ゲキガンガー3(キャラデザインは羽原信義さん)』の原画が最後だったと思います。マンガもやっていますから。(2011~12年放送の)『仮面ライダーフォーゼ』のクリーチャーデザインをやることになり、出渕さんに相談に行ったんです。初めてのクリーチャーデザインだったし、大先輩に話を聞きにいったら、『今、実はヤマトをやってるんだよ。設定を見たい?』と言われたんです。そりゃ、見たいですよ。見たら、『見たね? この艦に乗らないのか?』と言われて(笑)。出渕さんの言うことですし、僕が断る理由が全くないですから。やっぱり『ヤマト』は特別ですし、『ヤマト』があるから今の自分がありますしね。
「2199」にアニメーターとして参加したが、最初は「浦島太郎状態だった」と振り返る。
「原画は15年ぶりくらいだったので、分からないことが多く、制作進行に用語集を出してもらいました。最初は、木星の浮遊大陸でドンパチするメカシーンでした。今だったらCGに全部お任せしてしまうけど、当時はCG制作のためのタイミングなどの参考にするために、ラフ原画を描いていました。その後もレイアウトの修正、エンディングの原画とレイアウト……といろいろなことをやりました。プロデューサーの下地志直さんは、僕がフリーランスのアニメーターになって最初に仕事をいただいた方で、基本的にお世話になった方の仕事は断らないんです。下地さんとは、葦プロダクションの『トランスフォーマー』の仕事をいただいてからの付き合いでした。僕も長く業界にいますいが、タイミングと縁があったから続けられたんだと思っています」