<麻宮騎亜>「宇宙戦艦ヤマト」があるから「今の自分がある」 アニメーター復帰と引退 リメークシリーズに込めた思い
「3199」の第二章「赤日の出撃」のティザービジュアルには、ヤマトが発進しようとするシーンが描かれている。
「第4話の絵コンテが僕なんですが、第4話でアステロイドから出てくる発進シーンをビジュアルにしています。やや俯瞰(ふかん)気味、逆光で艦橋の辺りがブラックアウトし、窓だけが光っている。真正面のヤマトのビジュアルは珍しいかもしれません」
◇講師として教えていること
アニメーターは“引退”したものの、「機動戦士ガンダム 水星の魔女」「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」「HIGHSPEED Etoile」などの絵コンテも手掛けている。また、バンダイナムコフィルムワークスで若手アニメーターに向けて講師もしている。
「去年から毎週水曜日、新人アニメーターの育成講師をやっているのですが、僕以外の講師は現役バリバリのアニメーターの方々なので、僕はちょっと違う教え方をしています。動きはあんまり教えないんです(笑)。方法論、レイアウトやカメラなどを教えていて、毎回映画を見てもらっています。見せる前にポイントを言っています」
麻宮さんから直接指導してもらえるなんて贅沢な話で、どんな映画を見せているのかも気になるところだ。
「最近は『鉄道員(ぽっぽや)』を見てもらいました。日本映画のターニングポイントの一つになった作品だし、名撮影監督の木村大作さんの名前を覚えておいた方がいいという話をしました。『劇場版 エースをねらえ!』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』も見たり、『さらば愛しきルパンよ』とフライシャーのスーパーマンの『謎の現金強奪ロボット』を見たり……と実写映画も見ています。アニメーターは、生身の人間の演技を見て研究した方がいい。アニメはそんなに見ないでもいいというタイプなので」
◇リメークシリーズの魅力
第1作「宇宙戦艦ヤマト」の放送開始から半世紀たったが、ヤマトには今も色あせない魅力がある。