箱根路の2区は「権太坂」「戸塚の壁」、5区6区は身を削る戦いから8区の「遊行寺坂」へ…坂を攻略せよ
9区(戸塚~鶴見 23・1キロ) スタート直後の急な下り坂、逆転も演出?
復路区間の最長コース。「花の2区」を逆走する9区にもエース級の選手が集まる。戸塚中継所を出発してすぐに3キロ余り続く下り坂に入るが、起伏の多い長丁場の区間だけに、最初でオーバーペースにならないよう、スピードをコントロールできる走りが要求される。
選手起用次第では数分の差をひっくり返す逆転劇も起こりうる区間。下位チームの繰り上げスタートを巡るドラマが繰り広げられてきた鶴見中継所のタスキリレーまで目が離せない。
10区(鶴見~大手町 23・0キロ) 都心の目抜き通りから日本橋を渡って、ビクトリーラン
いよいよ最終区。中継所を出て序盤唯一の起伏がある多摩川の六郷橋を渡れば、あとはほぼ平坦なコースだ。終盤は、1区でたどったコースを逆走するのではなく、日比谷通りを馬場先門で右折して中央通りを京橋から日本橋に回り込む。このため、区間距離は1区より1・7キロ長くなる。
沿道の大観衆に迎えられるビクトリーロード。往復217・1キロのレースは大詰めで、優勝争い、シード権争いはクライマックスを迎える。スタミナにスピード力を備えたランナーたちが勝負とシード権を決するゴールに向けてラストスパートが始まる。
大手町のゴールの100メートル余り手前には、2011年の大会でランナーがコースを外れ、慌てて戻って猛スパートでぎりぎりのところでシード権をもぎ取ったドラマで知られる場所があり、駅伝ファンの間では「寺田交差点」と呼ばれている。こちらは平坦なコースだが、駅伝ファンや当の選手、チームにとっては「まさか」の「さか」だった。