箱根路の2区は「権太坂」「戸塚の壁」、5区6区は身を削る戦いから8区の「遊行寺坂」へ…坂を攻略せよ
6区(芦ノ湖~小田原 20・8キロ) 「もう走れない」…身を削る下り坂
急な下り坂が続く6区。前傾姿勢で「転がり落ちるように」と表現する選手もいるほどだ。早朝、氷点下になろうかという寒さの中で芦ノ湖畔をスタートし、最初の約4キロは登りで、標高874メートルの最高点を過ぎると今度は10キロ以上、曲がりくねった急坂を下る。
平均すると100メートルを16秒台前半というハイペースで走り下りていくので、平地では考えられないような体への負荷がかかり、まさに身を削る闘いだ。残り3キロの箱根湯本駅あたりからは、緩やかな下り坂が小田原中継所まで続くが、ここで脚が止まって苦しむ選手も多い。
7区(小田原~平塚 21・3キロ) 最初の緩やかな下り、飛ばしすぎると…
序盤は山からの冷たい風、後半は気温が上昇する時間帯で、気温差が激しくなりやすい区間だ。最初は緩やかに下るが、9キロ過ぎから後半は小刻みなアップダウンが続く複雑なコースだけに、前半で飛ばしすぎると後半に足が止まってしまう。ペース配分がレースのカギとなる。かつては、つなぎの区間とされていたが、近年では重要性も増して「復路の2区」と位置づける学校も多い。
レース終盤の大磯駅付近から平塚中継所までは、往路4区とは異なるJRの線路寄りのコースを走るため、全長は往路よりも400メートル長くなる。20キロ過ぎ、東海道をまたぐ大磯跨道橋を飛ばして走り切ることができれば、中継所は目の前だ。
8区(平塚~戸塚 21・4キロ) 難所は「遊行寺の上り坂」
前半は平坦な海岸線、後半は上りとなる。スタート後は海沿いの平坦な道がしばらく続くが、9キロ過ぎの浜須賀交差点(茅ヶ崎市)を左折して海に別れを告げるとやがて、9キロに及ぶ上りが待ち受ける。
特に15キロ付近で約700メートル続く「遊行寺(ゆぎょうじ)坂」(藤沢市)は、その直前にある坂とあわせた2段階の上りとなり、箱根山中に次ぐ難所と言われる。選手の忍耐力が問われる。
さらに戸塚中継所手前にも最後の坂が待ち受ける。後半の坂で失速しないよう、前半のオーバーペースに気をつけたい。レースは終盤に差し掛かり、下位のチームにはそろそろ繰り上げスタートも気になるところだ。