ストラトス/パンテーラ/ヨーロッパ/トヨタ2000GT…スーパーカーの第1期を彩った名車たち(後編)【ムック「スーパーカークロニクル 完全版ダイジェスト」第2回】
スーパーカーブームの脇を固めた名車があった
モーターマガジン社より「スーパーカークロニクル・完全版」が好評発売中だが、その中から主だった車種をダイジェストで紹介しよう。第2回は1966年から1979年までのいわゆる「第1期スーパーカー」の中から、ランチア ストラトス、デ・トマソ パンテーラ、ロータスヨーロッパ、トヨタ2000GTをピックアップしてお届けする。 【写真はこちら】個性派スポーツカーが続々。日本での人気の秘密は「あの漫画」だったのかも(全5枚) ■ランチア ストラトス(1974年)「世界ラリー選手権を制覇するために作られたマシン」 ランチア ストラトスは、「パーパス・ビルト・カー」と呼ばれる。それはラリーに勝つことを目的(パーパス)に開発されたクルマだからだ。 この企画の仕掛け人のひとりが、ランチアのラリーチームのボスであったチェザーレ・フィオリオで、情熱家でも有名で、常識にとらわれない「俺流」を押し通しラリー必勝マシンが実現した。 ディーノ246GTの2418ccV6DOHCエンジンをミッドに搭載。全幅が1750mmもありながら、ホイールベースがわずか2180mmと短いのは、ラリーでの旋回性能を考えた結果だ。それが功を奏してラリーでは見事に世界タイトルを1974年から3年連続で獲得した。 日本では「サーキットの狼」で主人公がグループ5レース仕様に乗ったこともあり人気が高い一台だ。 【ランチア ストラトス 主要諸元】全長✕全幅✕全高=3710✕1750✕1110mm、ホイールベース=2180mm、車両重量=888kg、エンジン種類=60度V6DOHC,総排気量=2418cc、最高出力=190ps/7000rpm、最大トルク=23.0kgm/4000rpm ■デ・トマソ パンテーラ(1971~1992年)「アメリカンV8をミッドに搭載したマッスルカー」 フェラーリ、ランボルギーニに劣らずスーパーカーに情熱を捧げたメーカーが「デ・トマソ」だ。1971年にそのデ・トマソがアメリカのフォードと手を組み開発したのがパンテーラ。大量生産でコストダウンを狙ったスーパーカーというコンセプトは世界初でもある。車名はイタリア語のヒョウに由来する。 ランボルギーニから移籍したジャンパオロ・ダラーラが設計した基本骨格は、当時はまだ鋼管スペースやバックボーンフレームが主流だったスーパーカーの中では異例とも言えるモノコック構造で、エンジンは「クリーブランド」の愛称を持つフォード製5.8LOHVをミッドシップ搭載している。最高出力300psを5400rpm