まるで実写、波紋広がる…フランスでAI使った映画の祭典
日テレNEWS NNN
フランスでAIを使った映画の祭典が開かれました。まるで実写のように作成できる技術が、映画界に波紋を広げています。 【画像】“無断生成AI”に声優らが「NO」 その一方で…声を取り戻した人も フランスの映画制作会社が開催した、この映画祭。参加条件は、制作の過程でAIを用いること。テーマは「リアリティー」で、世界中(世界35か国)から267作品が集まりました。 この作品は、1970年代のアルジェリアが舞台。いったい、どこにAIが使われているのでしょうか? 制作した22歳のエラさん。8月に映画祭のポスターを見て、初めてAI映画を作ってみることにしました。 ──制作時に撮影は? 「していません。すべてAIで生成しています」 撮影は「ゼロ」。パソコンに「歩いている人物」「1970年のアルジェリア」と入力すると、映像は自動で出来上がりました。5秒の動画が出来るまで、わずか1分。作品は2~3週間で仕上がりました。 審査員長の映画監督は、進化に驚きを隠せません。 映画「アメリ」監督 ジャン=ピエール・ジュネ審査員長 「エラさんの作品を見たとき、私はこうなった(口をあんぐり)。非常に驚異的。称賛しないわけにはいかない」 エラさんは、見事、審査員賞を受賞しました。 エラさん 「誰もが自宅の部屋で映画が作れる。これは大きな変革をもたらす」 一方で、フランスの俳優や声優らは、雇用が減ることを恐れています。 声優 ブリジットさん 「私たちは家にいて、誰も働かなくなる。ロボットは私たちが作ったものを再構成しているだけ。そんな世界はおかしい」 政府に法規制を求める嘆願書を先月、提出しました。 AIは、これまでの文化を失わせるのか、はたまた新しい文化を創るのか。映画界は転換期にさしかかっています。