「SUBU（スブ）」が作り出した「WINTER SANDALS（ウィンター サンダル）」という概念
寒い時期、ふと出掛けるときに素足で履ける、今までになかった冬のサンダル。ダウンのように暖かい「WINTER SANDALS（ウィンター サンダル）」という概念を作り出したブランド「SUBU（スブ）」。ブランド誕生から、世界で履かれるようになった現在までのお話を、SUBUディレクター兼デザイナーである株式会社イデアポートの府川俊彦さんにお話しいただいた。
冬の深夜、コンビニに行くサンダルが欲しかった
「ブランドスタートは8年前になるのですが、夜、家にいてシャワーを浴びた後にコンビニに行きたいと思ったとき、もう一度靴下を履いて、スニーカーを履いて出掛けるという行為が嫌だったんです。普通のサンダルだと寒いし、家のカーペットの上にいる感覚でずっといたいなと思ったのがSUBUを作りはじめたきっかけです」
ふかふかの履き心地と包み込まれるようなフィット感
SUBUのサンダルを初めて履いた人はその履き心地に驚く。インソールのふかふか感と包み込まれるようなフィット感が独特で、他にはない触感が得られる。この履き心地の秘密を伺った。 「ふかふかなインソールが一番の特徴です。靴作りのアプローチだとアウトソール上にインソールを載せるという工程だと思うのですが、それではこの履き心地にはなりません。SUBUの場合はアウトソールの中に厚さや反発力の異なるインソールを4枚入れています。 この4層構造が独特の吸いつくようなクッション性を生み出してくれます。靴工場ではなく縫製工場で作っているところも、もの作りのアプローチの違いからです。中のライニングにはフリースを使っているので裸足で履いても暖かいです。またアウトソールは2年目からオリジナルソールになり、4枚のインソールはこの8年で何度もブラッシュアップし、常に進化をしています」
デザインとクオリティ
ここからはSUBUの一目で印象づくそのデザインとこだわりの部分についてお話しいただこう。 「デザインはすぐに決まりました。ブランドを始めた頃はこういったサンダルのデザインは他にはありませんでしたし、頭の中でハッキリとイメージできていました。こだわりはやはり履き心地ですね、納得のいく履き心地が実現するまでに随分苦労しました。デザインの図面を持って生地市場で自分で生地を選んで、何十件という工場を自分で回ってようやく納得いくものを作ってくれる工場さんと巡り会えて、今現在もそこに生産を依頼しています。 試作を100足分ぐらい家に持ち帰り、毎晩夜中までインソールの硬さと厚さをミリ単位で調整してというのを何度も繰り返し、結果、低反発ウレタン、高反発ウレタン、EVA素材、硬質EVA素材を組み合わせた、今の製品のクオリティに辿り着きました」
