「あんなコースでは伸びないはず」帝王・山田裕仁が決勝レースを振り返り“唖然”/向日町競輪G3
<div class="ColumnRead"><p>現役時代はKEIRINグランプリを3度制覇、トップ選手として名を馳せ、現在は評論家として活躍する競輪界のレジェンド・山田裕仁さんが向日町競輪場で開催された「平安賞」を振り返ります。</p></div> 2024年9月8日(日)向日町12R 開設74周年記念 平安賞(G3・最終日)S級決勝 左から車番、選手名、期別、府県、年齢 ①山田久徳(93期=京都・37歳) ②松谷秀幸(96期=神奈川・41歳) ③清水裕友(105期=山口・29歳) ④大森慶一(88期=北海道・42歳) ⑤窓場千加頼(100期=京都・32歳) ⑥松岡貴久(90期=熊本・40歳) ⑦武藤龍生(98期=埼玉・33歳) ⑧大槻寛徳(85期=宮城・45歳) ⑨脇本雄太(94期=福井・35歳) 【初手・並び】 ←⑤①④(混成)⑨⑦(混成)②(単騎)③⑥(混成)⑧(単騎) 【結果】 1着 ⑨脇本雄太 2着 ⑤窓場千加頼 3着 ⑦武藤龍生
2029年にリニューアル!
締めくくりにふさわしい豪華メンバーが結集! 9月8日には京都府の向日町競輪場で、平安賞(G3)の決勝戦が行われています。近畿地区の選手にとって、この記念が思い入れの非常に強いものであるのは、よく知られるところです。しかし、全面改修が予定されている向日町競輪場は、この後に長い開催休止期間へと入ります。ノスタルジーを感じさせる現在の姿が見られなくなるのは寂しいですが、いつまでも今のままとはいきませんからね。 リニューアルオープンは2029年度となる見通しで、敷地内には大型アリーナなども建設予定とのこと。どんな施設に生まれ変わるのか楽しみですが、現在の施設における「最後の記念」ですから、近畿地区の選手は例年以上に気持ちが入っていたと思いますよ。実際、勝ち上がりの過程はもちろん最終日の負け戦でさえも、見応えのあるレースが多かった。掛け値なしに、本当にいいシリーズだったと思います。 このシリーズに出場していたS級S班は、佐藤慎太郎選手(78期=福島・47歳)、脇本雄太選手(94期=福井・35歳)、清水裕友選手(105期=山口・29歳)の3名。そのほかにも、昨年の覇者である北井佑季選手(119期=神奈川・34歳)や、今年大ブレイクを果たした地元の窓場千加頼選手(100期=京都・32歳)などが出場と、締めくくりにふさわしい豪華メンバーとなりました。 初日特選は、北井選手の番手を回った和田真久留選手(99期=神奈川・33歳)が勝利。2着は荒井崇博選手(82期=長崎・46歳)で、人気を集めた窓場&脇本コンビは、叩かれたり捌かれたりで惨敗しています。近畿の両名にとって厳しい幕開けとなりましたが、脇本選手と窓場選手は、その後のレースではしっかり結果を出して勝ち上がり。脇本選手は、二次予選と準決勝で素晴らしいスピードをみせていました。 脇本選手のほかには、無傷の3連勝で決勝戦に駒を進めた大槻寛徳選手(85期=宮城・45歳)や、地元を代表する選手のひとりである山田久徳選手(93期=京都・37歳)、北日本の大森慶一選手(88期=北海道・42歳)といったベテラン勢も好調モード。残念ながら佐藤選手と北井選手は勝ち上がりを逃しましたが、それでも決勝戦は非常に面白いメンバー構成となりましたね。 注目すべきは、近畿勢の窓場選手と脇本選手が「別線」を選択したこと。窓場選手が先頭のラインは、同県である山田選手が番手を回り、最後尾を大森選手が固めます。脇本選手の後ろには、「一度はついてみたかった」という武藤龍生選手(98期=埼玉・33歳)がついて、即席コンビを結成。近畿勢が分かれてのガチンコ勝負で車券的には難しくなりましたが、レースの面白味は格段に増しました。 清水選手の番手には松岡貴久選手(90期=熊本・40歳)がついて、こちらも混成ラインに。そして単騎での勝負を選択したのが、大槻選手と松谷秀幸選手(96期=神奈川・41歳)の2名というのが、決勝戦のメンバーです。どのラインの先頭も輪界トップクラスの自力があるうえに、デキも上々。しかし、展開は読みづらいですよね。窓場選手がどういう走りをするか次第でも、展開はガラッと変わってきます。