大阪・関西万博で提供の“限定メニュー”をくら寿司が開発 こだわりの裏には“原点”への意気込みと戦略
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開幕まで半年をきった大阪・関西万博に出店する寿司チェーンが“世界”を意識したメニューを発表しました。実は万博と回転寿司、深い関係があるんです。 インドネシアの伝統的デザートにオマーンのスナック。これらは大手寿司チェーンが発表した大阪・関西万博の限定メニュー。参加する70か国を象徴する料理で提供方法も万博仕様です。 記者 「左が日本のお寿司、右が世界の料理。2つのお皿が握手しています」 こうした料理が、このチェーンでは史上最長となる135メートルの回転ベルトに載って回ることに。 実は万博への出店にはサステナブルな運営など厳しい条件があるのですが、出店を目指したのはある理由が… くら寿司 岡本浩之 取締役 「回転寿司は1970年の前回の大阪万博をきっかけとして国内に広く広がっていった」 万博後、広がった回転寿司、今や全国におよそ2200店舗。その“原点”で勝負を挑みたい… ところが、意気込みとは裏腹に開発は苦労の連続。当初は“各国料理をイメージした「寿司」”の方向で進めていたのですが… くら寿司 田中邦彦 社長 「う~ん…特徴が分かりにくい。もっと(ソースを)増やしたらどうや」 「お米」をメインにせざるを得ず、“全て似てしまう”という問題が浮上。結局、60以上の試作品は全部ボツに。 開発担当者 「これが地球の歩き方のシリーズ」 “寿司”をあきらめてガイドブックなどを参考にカバーの中に収まり、味が落ちず、リーズナブルな価格、というコンセプトに変更。このこだわりの裏には“万博”の先を見据えた戦略がありました。 くら寿司 岡本浩之 取締役 「日本の外食市場というものも、これから大きな成長というのは、なかなか難しいかと思う」 外食産業でも人口減少は一大問題。このチェーンでも客数がじわりと減っていて活路を「海外」に見出したい考えなのです。 今回の商品、各国大使にも試食を依頼したのですが、これはいわば“市場調査”の意味もありました。 くら寿司 岡本浩之 取締役 「多くの大使館の方から『ぜひうちの国にも来てほしい』という声を非常に多くいただいてまして」 回転寿司を日本中に広めた万博。世界に広げる“第2の原点”になるのでしょうか。
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