クラーク記念国際、サヨナラのピンチに勝負の守備 選抜高校野球
第94回選抜高校野球大会は第1日の19日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で1回戦が行われ、第3試合でクラーク記念国際(北海道)は九州国際大付(福岡)に2―3でサヨナラ負けした。決勝点は左邪犠飛だった。 【九州国際大付vsクラーク記念国際】 サヨナラのピンチでクラーク記念国際の左翼・藤野は、勝負をかけた守備を選んだ。 同点の延長十回1死一、三塁。九州国際大付4番で大会屈指の強打者・佐倉の打球が左翼ファウルゾーンの浅い位置に飛んだ。捕球すれば、三塁走者がタッチアップで生還するリスクが生まれる。「この位置からなら本塁で刺せる」と藤野。ダブルプレーを狙った。 捕球すると、三塁走者がスタート。すぐさま本塁に投げた。しかし、送球がそれてセーフ。試合後、藤野は「後悔しています」と沈痛だった。 背番号「4」が示すようにもともとは内野手。外野はあまり経験がないものの、努力の結果、マウンドの辻田が「いつも良い返球をしてくれる」と信頼を寄せるだけの技術を身につけた。今回も精いっぱいのプレーだった。 仮にファウルの捕球を見送っていれば、警戒すべき佐倉の打席が続く。実際に飛球も浅かった。さらに打線は四回以降、相手先発・香西の前にノーヒットという厳しい展開。悪い流れを変える効果も見込める。リスクを取るに値する要素はいくつもあった。 まさに勝敗は紙一重。監督として史上初の昭和、平成、令和の3元号勝利を逃した佐々木監督は「勝ったと同じ。選手はよく頑張ってくれた」と教え子たちをねぎらった。【岸本悠】 ◇全31試合をライブ中継 公式サイト「センバツLIVE!」(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2022)では大会期間中、全31試合を動画中継します。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/hsb_spring/)でも展開します。