ポリマーケットの参加者はマイクロソフトのビットコイン購入に懐疑的
マイケル・セイラー(Michael Saylor)氏がマイクロソフト(Microsoft)の取締役会に対して行った、同社がビットコイン(BTC)を貸借対照表に追加すべきだという提案は、株主の承認を得ることはまずないだろう。分散型予測市場ポリマーケット(Polymarket)のベッターは、承認される可能性は10%しかないとみている。 ポリマーケットのベットは「イエス」と「ノー」で構成されている。購入した各株は、予測が当たれば1米ドル分のUSDTコイン(USDC)が支払われ、外れた場合は払い戻しはゼロとなる。USDCは、米ドルと等価で取引されるステーブルコイン、つまり暗号資産(仮想通貨)だ。 10月に保守系シンクタンクのNational Center for Public Policy Researchが、投資の多様化としてビットコインを貸借対照表に追加するようマイクロソフトに提案したが、取締役会は株主に対して反対票を投じるよう推奨し、暗号資産はマイクロソフトのような規模の企業の財務の一部となるには安定性に欠けると主張した。 マイクロストラテジー(Microstrategy)のエグゼクティブ・チェアマンであるセイラー氏は、年初来で同社の株価が455%上昇していることを踏まえ、最近、この問題についてマイクロソフトの取締役会に提案した。セイラー氏は、ビットコインはインフレや経済的不確実性に対するヘッジとして機能し、マイクロソフトの3兆2000億ドル(約480兆円、1ドル=150円換算)の時価総額を8兆ドル(約1200兆円)以上に押し上げる可能性があると主張した。 マイクロソフトの現在の財務戦略は、同社を弱体化させているとセイラー氏は言う。彼は、5年間で2000億ドル(約30兆円)の資本を配当金と自社株買い戻しによって「放棄」したと主張しており、この資金はビットコインに投資することができたはずだと述べた。ビットコインは、この期間に1200%以上上昇している。 ポリマーケットのベッターの一人は、機関投資家がマイクロソフトにビットコインを貸借対照表に追加してほしいと望む理由は特にないと主張した。なぜなら、ビットコインへのエクスポージャーを得るための選択肢はすでに数多く存在しているからだ。これはマイクロストラテジーが当初購入し始めた際には当てはまらなかった。 2000ドル分のポジションを「ノー」側に持つトレーダーのOxymirin氏は「それは、安全な投資(マイクロソフト)と変動の激しいもの(ビットコイン)を混同することで、価値評価をより難しくしているだけだ」と書いた。 逆のポジションを持つ別の投資家は、マイクロソフトの潤沢なキャッシュポジションを考慮すると、同社は少量のBTCを購入する可能性があると主張した。 「少額の資金がテスト用に割り当てられると思う。何しろ、株主の権利を考慮しなければいけない。マイクロソフトの資金状況は十分だ。マイクロソフトはビットコイン購入のオプションを提供している」とトレーダーのtitanlin氏は書き込んだ。 マイクロソフトは12月10日に次の株主総会を開催する予定であり、そこでこの議案が採決される。 |翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:マイクロソフトのサティア・ナデラCEO(Microsoft)|原文:Polymarket Bettors Skeptical Over Potential Microsoft (MSFT) Bitcoin Purchase
CoinDesk Japan 編集部