WAT'S GOIN' ON 〔Vol. 12〕「信頼」と「想い」が結実した青森ワッツの起死回生劇
20年来
高原純平は日本リーグ、JBLでプロ選手として活動し、コーチの経験も豊富な若手指導者だ。長らく越谷アルファーズでアシスタントコーチを務め、2020-21シーズンはヘッドコーチの立場にあった。 「高原とは、大学時代から20年の付き合いなんです。自分が勤め先を辞めて、青森スポーツクリエイションに入るときも話したし、もちろんコーチを始めたときにも。だから、何もかも洗いざらい伝えましたね。 勝負に出る新たなチームは、まず中心にふたり、會田と池田を据えて、彼らの能力と魅力を発揮できる形を作りたい。でも、じつはこれって、高原が好きなスタイルとはズレるんです。インサイドにひとり強力なビッグマンを据えて、そこから全体の戦術を組み立てるのが、彼のやり方だから」(北谷) にもかかわらず、北谷はどうしても高原にワッツを委ねたかった。 「コーチとしての確かな手腕はもちろんですが、やっぱり彼の人間力ですね。選手ひとりひとりときっちりコミュニケーションをとって、感情の押し引きも巧み。選手もスタッフも総入れ替えするので、短期間で皆をまとめ上げられる人間力を持っているのは、高原しかいない。もう必死で口説いて、それで最後には『分かった。お前を助ける』と言ってくれたんです」(北谷) こうして高原は埼玉を出て、青森へとやってきたのである。 WATS GOIN' ON〔Vol. 13〕につづく
VictorySportsNews編集部