<チ。 -地球の運動について->原作の言葉の力をアニメで表現 “第2の主役”星空の美しさの秘密
「第26回手塚治虫文化賞」のマンガ大賞に選ばれたことも話題の魚豊さんのマンガが原作のテレビアニメ「チ。 -地球の運動について-」。原作は、「週刊ビッグコミックスピリッツ」(小学館)で2020~22年に連載され、15世紀のヨーロッパを舞台に異端思想の地動説を命懸けで研究する人々を描く異色のマンガとして人気を集めた。テレビアニメは10月にNHK総合で放送をスタートし、第3話にしてメインキャラクターであるラファウが処刑されるという衝撃的な展開も話題になった。物語は、代闘士のオクジー、修道士のバデーニ、天文研究助手のヨレンタをメインとした第2章に移り、毎話心を揺さぶられるドラマに多くの視聴者が魅了されている。アニメを手掛けるマッドハウスの岡恒成プロデューサーに制作の裏側を聞いた。 【写真特集】話題作「チ。」 言葉の力 美しい星空 心を揺さぶられる名場面を一挙に
◇「チ。」の衝撃 構成の妙、刺さる言葉
岡さんは、原作を読み、多くの読者がそうであったように第1巻でラファウが処刑される場面に衝撃を受けたという。
「そこで『これはアニメ化したい』と思いました。全体通して、地動説と、それを形にしたネックレスを、時代を通じてずっとつないでいく物語で、群像劇的なところもありつつ、『この作品の主人公は誰なのか?』と感じました。話数を追うごとにどんでん返しがあり、最終的な展開も含めて、構成の妙があり、全8巻でここまでまとめるのはすごいなという驚きがありました。また、文字の見せ方や読ませ方、強調の仕方によって、一つ一つの言葉が刺さってくるところもすごいと感じました」
「チ。」には、大きな反響が届いているという。
「今までアニメの話をしたことがないような大学の同級生から数年ぶりに連絡があって『よかったよ』と言われることもありました。元々原作がすごく読まれているということもあるのでしょうが、作品のすごさを感じました。主人公がすぐ死んでしまうということも含めて、なかなかない作品ではあるのですが、やはり『圧倒的に面白い』というところは、年齢、性別、アニメファンか否かを問わず、皆さんが感じてらっしゃるのではないかなと思います」