【チャレンジC】ラヴェル2年ぶりV!川田導いた「何よりも久しぶりに勝てたことが大事」
芝中距離路線の実力馬が顔をそろえた「第75回チャレンジC」は30日、京都競馬場で行われ、エリザベス女王杯2着から参戦した4歳牝馬ラヴェルが中団から直線グイグイ伸びて牡馬を撃破。22年アルテミスS以来、2度目の重賞制覇を飾った。1番人気ダノンエアズロックは直線、伸び切れず7着に敗れている。 久々に美酒を味わった。ラヴェルが22年アルテミスS以来、約2年ぶりV。川田は「何よりも久しぶりに勝てたことが大事。この時間をスタッフの方たちとともに、喜んでもらえたらなと思います」と、前走エリザベス女王杯2着に続くコンビ2戦目の勝利をかみしめた。 アウスヴァール、バビットの先手争いにルペルカーリアも加わり、前半1000メートルは58秒4と速い流れ。中団から馬群を縫って追い上げると直線、先に抜け出したセイウンハーデスを一気に捉え、1馬身3/4差でゴールを駆け抜けた。川田は「前半からリズムを大事にして終始、動きをつくり続けながらの道中でした。引っ掛かることより、ちゃんと動けるかということが大事」とポイントを挙げた。エリザベス女王杯は、しまい鋭い伸び。復調気配を示していた。「前走は勝てはしませんでしたけど、あのトップカテゴリーで素晴らしい走りをしてくれた。そこから継続して、いい状態でここまで連れてきてもらえているなと感じる返し馬でした」とレース前から好感触をつかんでいた。 昨年マイルCSを制したナミュールの半妹にあたり、厩舎の先輩でもある叔母マルシュロレーヌは21年に米BCディスタフを制した実績がある。自身もデビュー2戦目のアルテミスSでリバティアイランドを負かすなど早い時期から頭角を現した良血だが、以降は勝てずスランプが続いた。4歳秋を迎え、カイ食いが良くなり、それに伴って体質が強化。折り合い面でも進境がうかがえるなど全てがかみ合いつつある。 矢作師も久々の勝利に胸が高鳴る。「前走後、ここに向けて凄く状態が良かった。大きいところでも楽しみ。ゆくゆくはリスグラシューみたいになってほしい」と思い描く。国内外でG14勝を挙げた名牝を引き合いに出すのも期待の表れだ。息を吹き返した素質馬が来年は大舞台で輝きを放つ。 ◆ラヴェル 父キタサンブラック 母サンブルエミューズ(母の父ダイワメジャー)20年2月14日生まれ 牝4歳 栗東・矢作厩舎所属 馬主・キャロットファーム 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績13戦3勝(重賞2勝目)総獲得賞金1億6594万7000円 馬名の由来は母名から連想した人名。