日経平均一時900円超安、日銀総裁発言後の円高を懸念-輸出中心売り
(ブルームバーグ): 1日の東京株式相場は大幅続落し、日経平均株価は一時900円超下げた。日本銀行の植田和男総裁の発言がタカ派的と受け止められたことで為替市場で円高が進み、業績への悪影響が懸念された電機や輸送用機器、機械など輸出関連株、非鉄金属や化学など素材株を中心に幅広い業種が安い。
TOPIX採用の2128銘柄中、下落は1655、上昇は395にとどまる。売買代金上位では三菱重工業や東京エレクトロン、ソフトバンクグループ、日立製作所が安い。四半期決算が市場予想を下回った富士通やレーザーテックは急落。半面、決算が予想を上回った三菱電機、パナソニックホールディングスは大幅高。
T&Dアセットマネジメントの浪岡宏チーフ・ストラテジストは、日銀のスタンスが変化したことで円高が進み、市場に下押し圧力がかかったと指摘。株価はきょう1日下落を続けるだろうと述べた。
日銀の植田総裁は10月31日の金融政策決定会合後の会見で、これまで繰り返してきた政策判断に「時間的な余裕はある」との表現を今後は使わないとし、経済・物価情勢を踏まえて予断を持たずに判断していく姿勢を強調した。市場では、次回12月会合での利上げの可能性がゼロではなくなったとの受け止めが多く、円相場は対ドルで一時151円台後半まで強含んだ。
また、日本時間今夜に米国で金融政策に影響を及ぼし得る雇用統計の発表を控えるほか、来週には米大統領選、東京市場は3連休に入ることも買いが入りにくい要因となっている。
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Alice French, Momoka Yokoyama