杉野遥亮さん「よけいな力を抜いて、ありのままの自分で生きたい」|『美的』ベストビューティマン2024受賞
実は抜けている一面も。でも頑張りすぎなくていいと思う
「なるべく自分の言葉で伝えたいと思うんです。せっかくご縁があってご一緒できたので、できるだけお互いがクリアな状態で同じ方向を向いてモノ作りしたいですし。とはいえ、上手に伝えることはなかなか難しいです。言葉が足りなかったり、言いすぎてしまったりすることもありますし。でも、人に伝えることは自分がなぜそうしたいのかを考えることでもあって、それはお芝居で役のどこに共鳴するかを考える訓練にもなっている気がします。スキンケアはズボラですが、日々自分を振り返るということが僕にとっての自分ケアなのかもしれません。最近は頑張りすぎない、気にしすぎないということも意識しています。鏡に映る自分の顔の調子が良くないとネガティブに感じることもありましたが、ストレスでニキビができることがあってもあまり気にしないんです。『ニキビができるくらい頑張っているんだな』と。そう思えるとニキビもいとおしく感じるんです」 調子が悪い自分も、自信がない自分も受け入れ、そんな自らを振り返る日々が、まっすぐな心の美しさを生む。 主演ドラマがきっかけで北アルプスの山々を登り、頂上で達成感やすがすがしさを感じてきた。その度、 「自分を知り、自分らしく生きられるような実感があった」という杉野さん。今、「ありのままの美しさ」を改めて実感している。 「子供の頃から自然の中にいることが好きで、仕事でも海や山でのロケだと芝居もより自分らしく楽にいられる感覚があるんです。ありのままというのは自分を受け入れて自分らしくいることでもあって、そういう人は美しいなと思います。化粧っ気のない“元気っ子!”みたいな人も素敵です。最近思うんですが、限界を超えて頑張る姿も美しいけれど、時には頑張らない時間があってもいいんじゃないかなと。生き方が顔に表れるし、自分がやっていることの結果が目の前に現れるのだと思うので、楽しく、心地いいと思う時間も大切にしていきたいなと。それに、誰かに憧れすぎるより、自分をちゃんと生きたい。その結果としての現実が苦しいこともあるけれど、そういうことの積み重ねでしか幸せにはなれないのだと考えると、僕が積み重ねてきたひとつの結果として、今回の『美的』の賞をいただけたことは本当にありがたかったです」 来年、30代を迎える。クールに、淡々と日々を積み重ねているように見える杉野さんだが、実はそうではない素顔にも和まされた。 「取材だと少しカッコいい感じにしていますけど(笑)、プライベートでは慌てることも多いんです。忘れ物をしたり、家の電気をつけっ放しで出かけたりとか、抜けているところも多くて。30代はもう少し落ち着いた、器の大きな大人を目指したいです(笑)」 Profile 杉野遥亮(すぎの・ようすけ)/1995年千葉県生まれ。2017年の映画『キセキ-あの日のソビト-』で俳優デビュー。’23年のドラマ『ばらかもん』でGP帯初主演、NHK大河ドラマ『どうする家康』にも出演。’24年は映画『風の奏の君へ』、ドラマ『マウンテンドクター』『磯部磯兵衛物語~浮世はつらいよ~』『オクラ~迷宮入り事件捜査~』と主演作多数。