社長として、妻として、周りを幸せにしながらブランドも育てていきたい|Ameri VINTAGE 代表取締役/ディレクター 黒石奈央子さん|STORY
女性としてこれからのキャリアに悩むSTORY世代。’22年に女性活躍推進法が改定されてからはますます女性の活躍が期待され始め、徐々に女性管理職比率も高くなってきています。第一線で活躍している女性リーダーの方々にお話を伺うと、そこには、キャリアの狭間で自身の生き方を見つめ、可能性を信じてチャレンジする姿がありました。今回ご登場いただくのは、アパレルブランドAmeri VINTAGEの代表取締役兼ディレクターを務める黒石奈央子さんです。
今も昔も失敗は怖いけれど、迷ったら「やる」方を選んで突き進むだけ
STORY編集部(以下同)――仕事モードに切り替える時のアイテムはありますか? 赤のリップをつけると、仕事モードがONに切り替わります。ブランドのこだわりはないのですが、赤の色味にはこだわりがあって。明るすぎない、ブラウン味のある赤が好き。昔から無意識に赤いリップを選んでいて、友人からも似合うと言われることが多かったので、常にバッグにしのばせています。赤リップをつけるだけで、不思議と自信が湧いてくる。スーパーヒーローに変身したかのような力が漲ってくるんです(笑)。黒髪の時期が長く、その印象も強いと思うので、“黒髪に赤リップ”というのも私らしいかなと思っています。 逆に、プライベートへの切り替えも上手なタイプです。仕事の時は超効率重視なんですが、プライベートでは無駄な時間をダラダラと過ごすのが定番(笑)。ずっと韓流ドラマや映画を観たりして、家では何もしないですね(笑)。仕事漬けだったのは立ち上げの時の数ヶ月だけで、土日は必ず休んでいます。よく「忙しいでしょ」と言われますが、ちゃんと切り替えて休んでいるので忙しいという感覚はないですね。平日はもちろんガッツリ仕事しているし、繁忙期もありますけどね。
――社長兼ディレクターとして大変なことも多い中で、ストレス発散方法はありますか? 一番のストレス発散方法は、海外旅行に行くこと。仕事がどんなに忙しかったとしても、何も考えずに海外に行っちゃうんですよ(笑)。早めに「この期間は不在です」と言い切ってスケジュールをブロックしちゃいます(笑)。でも結局海外に行っても、コーディネートを撮ったり、なんだかんだ仕事してますけどね。 ちゃんとお休みを取れているのは、ある程度スタッフたちに任せているからかも。こう見えて、私は全然しっかりしていないんですよ。スケジュールを忘れたり、抜けてるところが結構あって(笑)。その分、スタッフの子たちがしっかりしています。社長がパーフェクトだとスタッフたちも伸びていかない。あえて丸投げにした方が、自分で考えて調べて動くようになるので、教え過ぎないのは大事だと思います。社長として、部下に頼るという力も必要だなと。やってもらっているうちに、その子が成長したなと感じることも多いですね。 ――プライベートでは昨年ご結婚されていますが、ご主人との馴れ初めと、結婚生活について教えてください。 出会いは友人の紹介でした。私の友人の仲間の1人で、皆で遊んでいるうちに仲良くなりました。でも全然タイプじゃなかったんです。服装も(笑)。だから最初の出会いからはなかなか再会する機会もなく、私はその間に別の人ともお付き合いをしていました。たまたま1年後くらいに、みんなで集まった場に彼も同席していて、よく仲間同士で遊ぶようになって。「中身が素敵な人だな」と思うようになりました。 彼は昔の自分だったら絶対に選ばないようなタイプ(笑)。私は20代の頃は刺激的な恋愛が好きで、男らしい人に振り回されたり、不安になるような恋愛ばかりしてきたんです。でも、そういう人は合わないということが、30代になってやっとわかってきました。20代は色々な人と付き合って、その度にのめり込んでいたのですが、33歳で長く付き合っていた人と別れた時に、ビジネスだけでなく恋愛パターンも分析してみたんです。そうしたら、“自分が好きなタイプ”と“自分に合うタイプ”は違うということに気がついた。そこが食い違っていたからうまくいかなかったんだなと。