【致死率97%】世界中で「脳食いアメーバ」の被害拡大 脳を破壊する“怖すぎる病気”とは
脳食いアメーバがいる場所は?
編集部: PAMを引き起こす脳食いアメーバ(フォーラーネグレリア)は、どのような場所に潜んでいるのでしょうか? 眞鍋先生: フォーラーネグレリアは、未処理の温かい淡水や土壌、土ぼこりの中に生息しているとされています。 フォーラーネグレリアによるPAM感染は、主に淡水の湖・池・温泉・貯水池で起きており、感染者はこうした場所で「水泳をする」「水をかける」「顔を水に浸す」といった行動をしていたこともわかっています。 その一方、感染経路としての報告はそこまで多くはないものの、ホースの中でぬるくなった水や、一般家庭向けのウォータースライダー、水遊びができる噴水、個人の井戸から引いた水などからも感染したケースがあります。 フォーラーネグレリアは、汚染された水を介して人の鼻に入り、鼻粘膜を通過して嗅神経を辿って脳に到達すると、そこで平均5日間潜伏します。その後、PAMが発症します。 前頭部の激しい痛み、発熱、吐き気、嘔吐などの症状が出た後に、幻覚や昏睡の症状が出て、やがて死に至ります。
脳食いアメーバの被害拡大への受け止めは?
編集部: 「脳食いアメーバの被害が世界で広がっている」という指摘が、今回のニュースで明らかになりました。これまで1件しか確認されていない日本でも、被害が拡大する恐れがあるのでしょうか? 今回のニュースの受け止めを教えてください。 眞鍋先生: 現状、日本で感染が拡大する可能性はかなり低いですが、長期で考えた場合はわかりません。地球温暖化に伴う水温の上昇や旅行・レジャー活動の増加により、感染のリスクが高まる可能性もあります。 フォーラーネグレリアは温かい水で繁殖しやすいため、温暖化による水温上昇が感染の可能性を高める一因となります。さらに、被害拡大の報告がある地域では、水の安全性についての意識が高まっており、適切な予防策を講じることが重要です。 予防としては、淡水での水遊びや泳ぐ際、鼻に水が入らないよう注意すること、特に温かい水での接触を避けることが推奨されます。また、ろ過されていない水を使用する際は、浄水器を通すか煮沸消毒することで感染リスクを減らすことができます。