【致死率97%】世界中で「脳食いアメーバ」の被害拡大 脳を破壊する“怖すぎる病気”とは
インド南部ケララ州で、数カ月のうちに15人が「PAM(原発性アメーバ性髄膜脳炎)」に感染していることがわかりました。 【イラスト解説】「脳卒中」の原因となる“食べ物” 2023年5月には、アメリカ北部でもPAMの感染増加が指摘されており、今後も世界中で被害が広がる可能性が指摘されています。この内容について眞鍋医師に伺いました。
”脳食いアメーバ“の被害とは?
編集部: インドなどで報告されている”脳食いアメーバ“の被害について教えてください。 眞鍋先生: 今回のニュースで被害が取り上げられているPAMは、原発性アメーバ性髄膜脳炎という珍しい病気です。「フォーラーネグレリア」という微生物が原因で、脳細胞を破壊する特徴から“脳食いアメーバ”と呼ばれることもあります。 CDC(アメリカ疾病予防管理センター)によると、PAM患者の97%以上が感染によって死亡しているとされ、アメリカで1962~2021年に感染した154人のうち、生存した人はわずか4人とのことです。 PAMの感染は、これまでに少なくとも39カ国で報告されており、毎年平均4.5%ずつ確認件数が増加しています。日本でも1996年に1例が報告されています。 パキスタンでは毎年20人の死者が出る病気で、2024年に入ってからはインド、パキスタン、イスラエルでの感染が報告されています。インドのケララ州では、これまで年に1件程度だった感染報告が、今年はすでに15件報告されるなど急増しています。 また、オーストラリア南西部やアメリカのグランドティトン国立公園にある温泉からも、フォーラーネグレリアが検出されています。 2023年5月にアメリカのカンザス大学の研究グループが「Ohio Journal of Public Health」で報告した研究によると、「フォーラーネグレリアは気候変動によって北方へ拡大しており、これまで確認されていなかった新しい地域でヒトの健康に対する脅威を増大させている」と記述されており、アメリカ北部への被害拡大が示唆されています。