サブリナ・カーペンターが語る、2024年を代表する曲「Espresso」制作秘話とさらなる決意
コーチェラでの飛躍、バリー・コーガンとの関係
カーペンターは、1999年にペンシルベニア州クエーカータウンで生まれた。母親はカイロプラクターで、ダンスカンパニーの一員としても活動していた。父親は地元のアマチュアバンドのメンバーだった。娘が芸能活動を続けられるようにと、一家はカーペンターが13歳くらいのときにロサンゼルスに引っ越した。その後、ディズニー・チャンネルの人気ドラマ『ガール・ミーツ・ワールド』で主人公の親友役を射止めたカーペンターは、子役として一躍有名になった。こうしたキャリアにもかかわらず、カーペンターは幼い頃から歌うことが大好きだった。それは、テイラー・スウィフトの「Picture to Burn」を見事にカバーした2009年の動画をはじめ、YouTubeに投稿された過去の動画が証明している(「当時は、演技とはカメラの前で嘘をつくことだと思っていた」とカーペンター)。歌だけでなく、楽器も得意だ。音楽教室に通ったところで自分が弾きたいと思う曲を弾かせてもらえないことに気づくと、動画を観ながら独学でピアノとギターを学んだ(「別に『アルエット(カナダ発祥のフランス語の民謡)』とか弾きたくないし」とカーペンター)。こうしてアーティストとしての才能を着々と磨き上げていった結果、ロイヤリティの高いファンベースを築くことに成功した。 そんなカーペンターがまたしても世界の注目を集めたきっかけは、4月のコーチェラ・フェスティバルへの初出演だった。そこで彼女はメインステージに立ち、新曲「Espresso」を初披露したのだ。テイラー・スウィフトと一緒にアイス・スパイスのパフォーマンスを楽しむ様子が映し出された動画がネット上で話題になったり、「サブリナの初コーチェラ」というコメントが添えられた一連の投稿とともにヴィクトリア・モネとの初対面の様子を披露したりと、コーチェラでは他のアーティストたちとの交流を楽しんだ。さらには、グラムポップの新星として注目されるチャペル・ローンとも楽しい時間を過ごしたという(カーペンターは、「Espresso」とローンの「Good Luck, Babe!」の両作のヒットを称える投稿を目にして以来、彼女に注目していた)。これについてカーペンターは、「みんなと同じように、私もすっかりチャペルに夢中なの」と語り、「同じフェスのステージに立つアーティストとしてではなく、ふたりの女性として彼女と遊ぶのは、なんだか不思議な気分だった」と続けた。 さらには、アイルランド出身の俳優バリー・コーガンがカーペンターのパフォーマンスを見守っていたことも世間の注目を集めた。ふたりは昨年末から交際が報じられており(「コーガンはボーイフレンドなの?」と質問すると、「この質問って避けて通れないの?」と逆に聞き返されてしまった)、バーバリーのショートパンツを履き、お揃いの柄のハンカチで顔の下半分を隠したコーガンは、ステージ上からカーペンターから手を振られてすっかり有頂天のようだった。 カーペンターは、コーガンとの関係を是が非でも公にしたいわけではない。だが、5月6日にニューヨークのメトロポリタン美術館で開催されたファッションの祭典「METガラ」にふたり揃って参加したり、「Please Please Please」のMV(公開から一週間で2100万回以上再生された)で共演したりと、仲の良さをアピールしている。それでも、プライベートなことはあまり語りたがらない。これについては「この人だと心の底から思える、すべてにおいて素晴らしい人に出会ったなら、その人と交際しない理由なんてないから」とだけ言い、「でも、私自身は自分の正直な気持ちを歌っているわけだから、それが誰のことであるかを詮索されるのは仕方のないこと――アーティストとして受け入れなければならない現実だと思っている」と言葉を添えた。