頭のいい子が幼少期に身につける“勉強以外”の習慣とは?小児科医がオススメする「脳の鍛え方」
親が必死に声をかけて促されてやっていると、なんとなくできているように見えがちです。「からだの脳」が本当にしっかりとできているかどうかは、後々大きな差として現れてきます。次に育つ「おりこうさんの脳」の大事な土台になるからです。 ● 「からだの脳」の成長には 正しい脳育てが不可欠 他方、大脳新皮質の「おりこうさんの脳」は言語機能や微細運動、思考を司ります。多くの情報や知識が蓄えられる部位なので、小学校に入れば、脳が出来上がってきたかどうかははっきりわかります。学校で受けたテストの点数が70点なのか100点なのか、30点なのか。我が子が30点をとってきたとなれば、「この子は『おりこうさんの脳』が育っていない」と親は感じ、「塾に通わせて勉強させなきゃ!」となるでしょう。 それくらいの必死さで「からだの脳」も育ててほしいというのが、私が声を大にして伝えたいことです。「からだの脳」が土台となり(1階)、「おりこうさんの脳」(2階)が発達するので、まずは土台の「からだの脳」をしっかり作ることが何よりも重要なのです。「からだの脳」は生きるために必須のため放っておいても必ず育つものですが、2階を支えられる頑丈な1階にするには、正しい脳育てを親が意識しなくてはなりません。
小学校に入るくらいの子どもが、朝に自分で起きてこない、夜はひとりで寝つかない、「お腹すいた」とご飯を食べに来ない……としたら、「うちの子、『からだの脳』が育っていない!原始人の生活ができていない!」と、塾に通わせなきゃと思うのと同じくらいの危機感を持っていただきたいのです。 でも、もしそうだとしても心配しなくて大丈夫です。「からだの脳」は何歳からでも育て直すことができます。 ● 人間の体内時計は 太陽の光を基準に動いている 人間が目を覚ますのに最も必要なのは、太陽の光です。人間の体内時計は、脳のなかで左右の視神経が交差する視交叉の上にあります。ここに太陽の光が入ると、脳が「朝だ」と認識します。夕方暗くなって光が視床下部に入ってこなくなると、「夜だ、寝なくちゃ」というモードになる。体内時計は、太陽の光を基準に動いているのです。まさに原始人の生活です。 つまり、太陽の光が毎朝同じ時刻に目の中に入るようにすれば、からだは「あ、はいはい。朝ですね」と、自然と起きてくる。周囲が暗くなってくれば、夜と認識して眠くなってくる。生まれたばかりの赤ちゃんではまだうまく働いていませんが、毎日繰り返しているうちに、1歳ごろには朝と夜を脳が感知するようになり、起こさなくても起きる、寝かさなくても眠るというリズムが出来上がります。視床下部には食欲中枢もあるので、お腹がすいたこともわかるようになります。