[ノートオーラ]はこいつが元祖! 日産ノートとよく似た高級車[ティーダ]はなぜ消えたのか?
■リーマンショックが2台の運命を変えた?
ではなぜティーダは消えてしまったのか。もちろん原因は一つではないだろうが、2008年に起きたリーマンショック以降、「小さな高級車」という価値観が打ち出しにくくなったことは確かだ。人々の意識から高級という目盛りが消え、より合理性や経済性を求めるようになったのだ。 実際、2010年の両車の販売を比べてみると、ノートの6万6347台に対し、ティーダは4万6825台と数字を落としている。長いスパンでみると、5ドアハッチバックの持つ特性により忠実だったノートが、生き残ったといえるのかもしれない。 とはいえ、ティーダの火は消えてはいない。今まさにティーダの立ち位置を受け継いでいるのが、ノート オーラだろう。オーラが持つワンランク上の走りや室内の質感を思うと、まさにティーダが目指したラグジュアリ―コンパクトの継承者だと感じるのだ。 ちなみにティーダそのものは、国際戦略車として多くの国で今でも発売されている。とはいえそれらはパルサーの兄弟車的位置づけで、初代の持っていた小さな高級車という味わいはない。 2012年、2代目ノートがデビューすると、初代ノートとティーダはそろってその役割を終えた。託された未来はそれぞれ変わってしまったけれど、最後まで兄弟のような、仲睦まじい2台であった。