<ボクシング>JBCがIBFトップに亀田大毅の王座空位を要求
プロボクシングのIBF(国際ボクシング連盟)のダリル・ピープルズ会長と、同ランキング委員会のアニバル・ミラモンテの両氏が3月2日、一連の“亀田大毅問題”に対する事情説明のため緊急来日して、JBC(日本ボクシングコミッション)と話し合いの場を持った。 [表・記事]JBCが亀田陣営に最後通告!
■一連の騒動に対しIBF会長は全面謝罪 昨年12月に行われたWBA、IBFの世界スーパーフライ級統一戦において、IBFの立会い人であるリンゼイ・タッカー氏が、ルールミーティング後に「試合に負けた場合、亀田大毅選手のIBF王座は空位になる」と発表していたが、亀田大毅が判定で敗れると、一転、「負けても王座防衛」と会見を開き、見解を翻した。このことが、ファンを混乱に陥れ、ボクシングの権威を失墜させた一番の原因だったが、それに関して「日本のボクシングファン及びJBC、ボクシング関係者に多大な迷惑をおかけしたことをお詫びしたい」(ピープルズ会長)と全面謝罪。 前日のルールミーティングで、「果たして、どんな見解が確認されていたのか?」が、JBCが亀田ジムの各種ライセンス更新を停止する処分をする際の、ひとつの争点ともなっていた。その問題に関しても、JBCの秋山弘志理事長の話によると「ルールミーティング後のJBCとWBAの責任者が立ち会いの元で行われた会見で発表された見解が、その時点での決定事項と受けとってもらって結構」という立場を、IBFは明確に示したという。ピープルズ会長も、記者団に対して、「ルールミーティングでは、『10ポイントマストシステムの確認』など、テクニカルなことだけが話しあわれたのではないか」と説明した。 ■JBCがIBFへ亀田大毅の空位を要求 また現在、IBFはスーパーフライ級王者を亀田大毅としているが、JBCは、一連の騒動を受ける形で、同タイトルを空位扱いとしている。この日の両者の会議でも、JBCは亀田ジムへの処分や、その経緯を明らかにすると共に「IBFでも亀田大毅の王座を空位にしていただきたい」と要求した。 IBFのピープル会長は、IBFのチャンピオンシップ委員会及びボード委員会にて、そのJBCの要求を検討することを約束。ピープルズ会長も「亀田(大毅)のタイトルをどうするかの問題にしても、保留にさせていただきたい」とコメントした。秋山理事長の「IBFは、JBCの立場を理解して非常にリスペクトしている」という手ごたえからすると、IBFがJBCの要求を受けて、亀田大毅が保持しているIBF王座を空位にする可能性が高い。 JBCから各種ライセンスの更新停止という“国外追放処分”を受けた亀田大毅は、現実問題として、海外で防衛戦を行うしか手段がなかったが、その“虎の子のベルト”も失ってしまうことになりそうだ。