8月の食品値上げ642品目、チョコレート・アイスの値上げ続く 秋は半年ぶり値上げラッシュへ
今後の見通し:値上げ→価格維持にシフトの動き、値上げの勢いに後退感
一時的に160円を超える急激な円安の進行に加え、食品トレーやビンなど包装資材、物流費などのコスト増が複合的に発生している。また、オレンジジュースやチョコレート製品では、大雨や猛暑、干ばつをはじめとする世界的な異常気象による原材料高が表面化している。国産由来の原料でも原料米価格の高騰を背景にパックごはん製品で価格が引き上げられ、飲食料品に対する値上げ圧力は高まった状態が続いている。 他方で、実質賃金の伸び悩みによる購買意欲の低下を背景に、値上げ後の商品を買い控えるといった消費者の値上げ疲れ、PB製品など低価格の代替品志向といった動きが強まっている。このため、近時は本体価格の「引き上げ」から内容量の減量などによる「据え置き・維持」へのシフトが食料品でも目立ちはじめており、値上げの勢いは後退感もみられる。 先行きでは、10月の食品値上げ予定品目数が今年4月以来となる2千品目台で推移している。資材価格の高騰が続くビール類やRTD飲料、日本酒など酒類製品で値上げが実施される場合、2023年10月並みとなる4千品目前後に到達する可能性がある。24年通年では、10月に値上げラッシュを迎えた後は11・12月ともに総じて落ち着いた推移が想定され、1万5千品目前後での着地が予想される。