学生バイトから執行役員へ。原動力は“楽しい”という気持ち|ユナイテッドアローズ執行役員 山崎万里子さん|STORY
――「こういう世界に身を置きたい」を達成するため、山崎さんが起こした行動とは? 一番手っ取り早い策は? と考えた時、やはり東京の大学に行くことだ! と思ったんです。今でもそうではあるんですが、流行のファッションは、まずは東京、それから地方に展開されていくという流れなんですよね。だから、東京の大学に行けば、今よりも確実に流行に触れられる機会が多くなるはず。就職のことを見据えてというよりも、実際には洋服を買ったり、遊びたいっていう気持ちの方が強かったかもしれないです。ただ、大学に合格するというモチベーションには繋がりましたね。 ――希望通り、東京の大学に合格! ユナイテッドアローズ一号店には行かれましたか? もちろんです。大学生になり、お店にお客さんとして通っているうちに、店頭レジ前にアルバイト募集のPOPを発見したんです。すぐにレジにいた人に、「私、これがやりたいんですけど、どうしたらいいですか?」って聞いたんです。その時、レジにいて私が質問した人は、今も会社にいらっしゃいます。そして、その場で応募したという(笑)。 ――とうとうお客様という立場から、お店の人へとなるわけですね! 大学生の時、アルバイトとして働いていた当時は販売職もオフィス職も境がないような時代でした。原宿の店舗にオフィスとお店があるという感じ。全員で朝礼しお客様をお迎えして、時間が空いたらデスクに戻って事務仕事をする。レジ締めも全員が見守る中行われ、私も同じ動きをしていました。アルバイトの私には色々なことが頼まれ、任され。それら全てが楽しくてたまらなかった! 正直言うと、仕事なのか趣味なのかよくわかってなかったですね。
渋谷に第一号店をオープンした翌年、1991年にユナイテッドアローズで初めてのヴィジュアル本を自主制作しようということで作られた『Styling Edition』。“カタログ”のようなものだけれど、モノの紹介だけで終わりたくないし、かと言って、格好つけただけのモノにもしたくない。そんな制作意図の中で、アルバイトの私もスタッフの一人として携わりました。