妻夫木聡「子育てを経て自分自身がどう変わるか…楽しみにしています」
――役として生きるには、ロケーションやそこで感じる気候や空気、そうしたものも大事になってくると。 「映画やドラマは、みんなが持っている心のアルバムの一つ一つ、印象深いところを取り出したものが積み重なったもの、集合体だと思うんですよ。いい景色、いい食べ物、いい言葉、お互いが心に触れる瞬間とか、そこで見るもの起こることすべてに役者もちゃんと感動して、それが生きる表現ができれば、撮った画にもしっかり焼き付くと思います。当然フィクションなんですけど、嘘が少しだけ真実に近づくんじゃないかな」 ――「こんな役をやりたいという希望はない」と常々おっしゃっていますが、50代の自分に期待することはありますか? 「みんなが求める妻夫木聡ではないところに行ってほしいという期待はあります。自分自身を裏切っていってほしい。だからって、無理な役ばかりやれということじゃないんですけど、自分でも驚くような顔を見てみたい。映画やドラマを見る側の僕も、自分自身にそれを望むと思うので。 あとは、いろいろな出来事や仕事と出会って自分の顔が変わっていくことを楽しみにしています」 ――50代まであと7年…妻夫木さんの変化を楽しみにしています。 「とはいえ、今は子育てで手一杯で、変化なんか感じる余裕もないんですよ(笑)。だから次は…ある程度子どもたちが大きくなって、どう変わってくるかということでしょうね。 今は子育ても役者の仕事もしたいので、そのバランスが悩ましい。そういう悩みに直面した時、何を優先するかといえば当然家族なんだろうけど、悩むよなぁ…というのが、40代の僕の現在地です(笑)」 (取材・文/橋本達典) 【妻夫木聡 プロフィール】 1980年12月13日生まれ。福岡県出身。1998年、ドラマ「すばらしい日々」で俳優デビューし、2001年「ウォーターボーイズ」で映画初主演。映画「悪人」、「ある男」、大河ド ラマ「天地人」、ドラマ「オレンジデイズ」、「Get Ready!」など主演作多数。テレビ東京開局60周年特別企画ドラマスペシャル「生きとし生けるもの」に主演する。 妻夫木聡スタイリスト:小松嘉章(nomadica)、ヘアメイク:勇見勝彦(THYMON Inc.)
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